野本州汰(スポ2=群馬・館林)が念願の初タイトルを獲得した!初日に行われた男子グレコローマンスタイル(グレコ)に72キロ級で出場した野本は接戦に次ぐ接戦を制し見事優勝。これにより、野本は来月の天皇杯全日本選手権への切符を手にした。2日目の…

 野本州汰(スポ2=群馬・館林)が念願の初タイトルを獲得した!初日に行われた男子グレコローマンスタイル(グレコ)に72キロ級で出場した野本は接戦に次ぐ接戦を制し見事優勝。これにより、野本は来月の天皇杯全日本選手権への切符を手にした。2日目の男子フリースタイル(フリー)では坂井剛光(社2=福岡・小倉商)が1、2回戦を突破したものの、準々決勝で惜敗。早大からフリーで表彰台へ上る選手はなかった。

 初日に行われた男子グレコローマンスタイルに早大からは野本と130キロ級に小西拳(スポ1=岩手・盛岡工)が出場。小西は東日本学生春季新人選手権優勝の武藤翔吾(中大)に対し、試合開始1分17秒でフォール負けを喫し、初戦敗退となった。野本は初戦となった2回戦をテクニカルフォールで突破すると、3回戦では高校同期の金子泰士(明大)と対戦。「高校のとき相手が部長で、自分が副部長で。絶対に負けられなかったですね」と野本はこの因縁の対戦を2−0で勝利。準決勝も前半のパッシブからのグラウンド技による3点を守り切り決勝へ進出した。決勝の相手は東日本学生春季新人選手権の77キロ級王者の田代英才(国士舘大)。野本は第1ピリオド(P)開始1分30秒に投げ技からローリングを返し6点を先制する。しかし、その1分後に「集中力が切れてしまって。相手のペースになってしまった」と投げ技を決められ6−4まで追い上げを許す。それでも「点数はやらないと気持ちを切り替えた」と、第2Pを無失点に抑え、2点のリードを守りきり見事優勝を決めた。この優勝で自身初タイトルとなった野本は同時に天皇杯全日本選手権(天皇杯)の出場資格を獲得。初出場となる全日本の舞台でどこまで躍進することができるか、野本の戦いに期待がかかる。


自身初タイトルを獲得した野本。同時に天皇杯への切符も手にした

 2日目に行われたフリースタイル。初日の雪辱を果たしたい小西だったが、思うように攻撃を繰り出せず、0−2で悔しい初戦敗退となった。グレコで優勝を果たした野本も日大の渡辺悠介を相手に0−12でまさかのテクニカルフォール負けを喫し、初戦で姿を消した。57キロ級で出場した坂井は「練習でタックルの入り方は意識してやっていたので、それが発揮できて、動きも良かった」と1回戦を9−2、2回戦を9−0と順調に勝ち進む。しかし、準々決勝では「ちょっと様子を見すぎた」とポイントを取りきれない展開が続き、1−0リードで迎えた第2Pにパッシブによる1ポイントを相手に献上してしまう。これがラストポイントとなり、判定により準々決勝敗退となった。それでも坂井は「1年振り返ってみればこの大会が一番いい動きで試合ができたんじゃないかなと思います」と手応えを感じていた。


表彰台には一歩届かなかったが、坂井はその成長を感じさせた

 初タイトルを獲得し、天皇杯への切符を手にした野本を含め、各々が手応えを感じる収穫のある大会となった東日本学生秋季選手権・新人戦。一方で「自分のポイントを取るかたちや基礎的な部分でまだまだなところもある」と太田拓弥監督は振り返った。野本は天皇杯へ向けて。坂井、小西は来年度の飛躍を期して。早大の未来を担う選手たちは今大会を糧に、さらなる成長を誓う。

(記事、写真 林大貴)

※フリースタイルは10点差、グレコローマンスタイルは8点差がつくとテクニカルフォールで試合終了となる

結果

男子グレコローマンスタイル
▽72キロ級
野本 優勝

▽130キロ級
小西 初戦敗退

男子フリースタイル
▽57キロ級
坂井 準々決勝敗退

▽74キロ級
野本 初戦敗退

▽125キロ級
小西 初戦敗退

コメント

太田拓弥監督

――初日のグレコローマンスタイルの方を振り返っていかがですか

州汰が優勝して全日本選手権の資格を取れたっていうのがまず一番ですね。今までずっと勝てなかった中で、ようやく結果が出て、全日本の資格を取れたっていうのはすごい良かったですね。

――内閣総理大臣杯全日本大学選手権(内閣杯)で2勝を挙げたことも含め、最近は成長が見て取れるのではないでしょうか

そうですね、内閣杯で経験を積んだことで試合での思い切りの良さっていうのが出てきた感じはしますね。

――課題に挙げていたスタイルの確立という部分はいかがでしょうか

ポイントを取るかたちっていうのはできつつあるので。ただ、まだまだ強い選手に通用する技がないので、修正していくべき点は山ほどあると思うんですけど、結果として優勝できたっていうのはすごいプラスになってくると思いますね。

――きょうのフリースタイルでは初戦でテクニカルフォール負けを喫しました

組手にしても構えにしても、基本的なところでまだまだな部分があるので、そういった部分を鍛えていかないとこれから上のレベルで勝っていくのは難しいと思いますね。小西にしてもそうなんですけど、自分の武器っていうのをつくらせていきたいなと思います。

――坂井選手は動きは良かったように思えますがいかがですか

差しからの展開である程度自分のかたちっていうものが見えてきているんですけど、得点に結びついてない点とかは改善していかないといけないなと思います。

――小西選手はポイントを獲れない展開が目立ちました

そうですね。あと単純に体が小さいですね。130キロ、125キロ級の選手ではないですね。この冬で体重を増やさないと、重量級っていうのは、相手のタックルをしのいだりとか、前の力が増したりだとか、体重があるだけで全然違うので、そういった部分をこの冬に徹底的に鍛えていきたいと思いますね。

――野本選手は天皇杯初出場となりますが、どういった戦いを期待しますか

とにかく上のレベルの大会で1つでも多く勝って。来年は全日本学生選手権の表彰台、優勝を狙って、もっともっとレベルアップしていてほしいなと思います。

坂井剛光(社2=福岡・小倉商)

――今大会を振り返っていかがですか

調子としては結構良かったんですけど、準々決勝はちょっと様子を見すぎたかなと思います。最初にもっと攻めていけば変わった展開になったんじゃないかなと思います。

――タックルの入りや処理の動きなどは良かったように見えました

練習で結構タックルの入り方は意識してやっていたので、それが発揮できて、動きも良くて自分的には良かったんじゃないかなと思います

――準々決勝ではラストポイントで敗れる結果となりました

自分と競るぐらいの相手になると、様子を見てしまうことが多いので、そういう相手にももっと最初から自分から攻めて、タックルに入るっていうのを練習からやっていかないとこの先勝てないと思うので。タックルに入る技術っていうのを磨いていきたいなと思います。

――今年1年を振り返ってみていかがですか

1年振り返ってみればこの大会が一番いい動きで試合ができたんじゃないかなと思います。最後に成長を感じることができたかなと思います。

――来年は上級生になりますが、目標などはありますか

3年生の中では自分だけJOC(ジュニアオリンピックカップ)があるので、そこでしっかり結果を出していいスタートを切りたいなと思います。

野本州汰(スポ2=群馬・館林)

――優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――優勝した瞬間はどういうお気持ちでしたか

やっとスタート地点に立てたなと。今まで全日本の舞台とかは見ているだけで、同期の梅林(太朗、スポ2=東京・帝京)は1年生の頃から立っていた舞台なので、やっとその舞台に出場する機会を得ることができたなと思いました。

――自身初タイトルとなりました

高校時代からレスリングをやっているんですけど、県以外の大会で初めてタイトルを獲れました。

――3回戦の明大の金子選手は同じ館林高出身でしたが意識する部分はありましたか

高校のとき相手が部長で、自分が副部長で。手の内はお互い理解していたので苦戦したんですけど、絶対に負けられなかったですね。

――決勝を振り返っていかがですか

投げ技からローリングを返して6−0までなったんですけど、そこで1回自分の集中力が切れてしまって。変に相手に組まれてしまって、相手のペースで投げられて。第2Pからは気持ちを切り替えて、点数はやらないとなんとか逃げ切りました。

――今大会を全体を振り返っていかがですか

4試合連続で勝てたっていうのは自分の中でかなり自信につながりました。今までずっと1、2回戦ぐらいで負けていたので。内閣杯で3試合できて、今回4試合できたっていうのはすごい経験になったと思います。

――成長を感じる部分はありますか

気持ちの部分で、自分すごい緊張しいで。動きが硬くなっちゃうところがあって。なので今回は脱力というか、体の力を抜いて臨めたっていうのが自分の中での成長ですね。

――初出場となる天皇杯へ向けて、一言お願いします

出るからには少しでも勝てるように。入賞を目指してやっていきたいと思います。