4年生にとっては最後の試合となる早慶定期戦(早慶戦)。今年は早大のホーム、東伏見スポーツホールで行われた。会場には両校の応援部と、客席に座りきれないほどの観客が詰めかけ、選手たちを後押しした。早大は4年生中心のオーダー。序盤は競った展開に…

 4年生にとっては最後の試合となる早慶定期戦(早慶戦)。今年は早大のホーム、東伏見スポーツホールで行われた。会場には両校の応援部と、客席に座りきれないほどの観客が詰めかけ、選手たちを後押しした。早大は4年生中心のオーダー。序盤は競った展開になったが、中盤以降は慶大を圧倒し寄せ付けず。28-9の快勝で有終の美を飾った。

 先制点は早大。井川花野(教4=神奈川・横浜平沼)が7メートルスローを確実に決め、先制に成功する。その勢いに乗って一気に点差を広げたいところだったが、慶大のミドルシュートを中心とした攻撃に苦戦し、一進一退の攻防が続く。しかし、前半19分に久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)の7メートルスローで勝ち越しに成功すると、これを皮切りに早大のゴールラッシュが始まる。高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)の見事なポストシュートで追加点を奪うと、前半25分には金庭亜季(社4=群馬・富岡東)がカットインから鮮やかなシュートを決め、9人の4年生全員得点を達成。その後も順調に得点を積み上げ、14-7で前半を折り返した。


7メートルスローで先制点を決めた井川

 後半に入っても早大は攻撃の手を緩めない。後半11分には絵にかいたような見事な速攻から島崎愛(社4=熊本・熊本国府)が18点目を奪うと、後半16分には紅林詩乃(スポ1=東京・佼成学園女)が華麗なサイドシュートを突き刺し、先輩の引退試合に花を添える。好調な攻撃と比例するように、これまで築き上げてきた強固なディフェンスもしっかりと機能。後半23分には三浦千夏(商2=神奈川・公文国際学園)が7メートルスローをストップするなど、後半25分まで慶大に得点を許さない素晴らしいディフェンスで試合の流れを渡さない。その後もセットオフェンスと速攻を織り交ぜた攻撃で慶大を翻弄。終盤に2失点を許したが、最後は金庭がこの日2点目となる得点を決め、試合終了。最後まで慶大に付け入る隙を与えず、現役最後の試合を笑顔で終えた。


全力で駆け抜けた4年間。笑顔でその幕を下ろした

 最高の結果で試合を終えた彼女たちの表情には、一切の曇りはなかった。早大ハンドボール部での4年間に後悔はないのだろう。もう彼女たちのプレーを見ることができないのは寂しいが、そのような気持ちを忘れさせてくれるようなプレーを、3年生以下の選手たちが見せてくれるはずだ。今年越えられなかった全日本学生選手権(インカレ)ベスト4のカベを越えるためにまた一から再始動していく。そんな新チームからも、目が離せない。

(記事 稲葉侑也、写真 村井稜、栗林真子)


集合写真

 

第15回早慶定期戦
早大2814−7
14−2
慶大
GK 北村早紀(スポ3=群馬・富岡東)
LW 杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)
LB 吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)
DF 高田紗妃(スポ4=福岡・西南学院)
PV 島崎愛(社4=熊本国府)
RB 富永穂香(スポ4=東京・佼成学園女)
RW 久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)