かつて"悪童"というニックネームで呼ばれたテニス界のレジェンド、ジョン・マッケンロー(アメリカ)。イギリスの「The Guardian」紙によると、オーストラリアのナイン・ネットワークの番組「60 Minutes」で、"問題児"ともいわれる…

かつて"悪童"というニックネームで呼ばれたテニス界のレジェンド、ジョン・マッケンロー(アメリカ)。イギリスの「The Guardian」紙によると、オーストラリアのナイン・ネットワークの番組「60 Minutes」で、"問題児"ともいわれるニック・キリオス(オーストラリア)について語った。

マッケンローは「現段階では、彼は自分自身を競技からの追放へと追い込んでしまうでしょう。私はそんな様子を見たくはありませんが、そうなってしまうでしょう。これは火を見るより明らかです」とキリオスを心配した。

一方で「私は彼が大好きです。すごい奴ですし、ここ10年間で私が見てきた中で1番才能のあるテニス選手だと思います」とも評した。

だからこそマッケンローは、苦言を呈しているのだろう。「今の段階でニックと私の違うところは、私はいつでも挑戦していたということです。どういうわけか、ニックはそうではありません。私はジークムント・フロイトではありませんが、そうだったらいいのにと思います」

「私はニックが好きですし、(もし彼が全力を尽くせば) テニスにとってプラスになると思うからです。言うまでもなく、彼にとってもその方が良いでしょう。私はニックを本当に良いやつだと思います」

そのキリオスはオーストラリアの「キャンベラタイムズ」紙に、オーストラリア内外でカウンセリングを受けメンタルの改善に動いていることを明らかにした。

これはマッケンローを始め、多くの選手から認められる才能を本当に活かせるかにも関わってきそうだ。

キリオスは現在23歳の世界ランキング35位で、将来を嘱望されてきた。一方で、同選手の試合中の振舞いや言動が問題視されたり、罰金を科されたりもしてきた。今年も「ATP500 ロンドン」準決勝でチェンジコートの際、椅子に座り淫らな行為を模した動きをしたとして「非紳士的な行為」に罰金が科された。

ロジャー・フェデラー(スイス)もキリオスについて、本当の潜在能力を引き出せるかは本人次第だろうとの見方を示すなど、同選手の取り組む姿勢に足りないものを感じている様子を窺わせていた。

キリオスは「適切なトーナメントでプレーして、トーナメントでは全力を尽くしたい。チームのみんなと協力していくつもりだ」と前向きに話しており、今後の進化に注目したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「レーバー・カップ」でのキリオス(左)とマッケンロー(右)

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for The Laver Cup)