2018年のテニス男子ツアーは、21歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が最終戦初優勝を飾って幕を閉じた。特に決勝は、完全復活した世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を攻略してのストレート勝利であり、21歳の若さでの最終戦初優勝は2…

2018年のテニス男子ツアーは、21歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が最終戦初優勝を飾って幕を閉じた。特に決勝は、完全復活した世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を攻略してのストレート勝利であり、21歳の若さでの最終戦初優勝は2008年のジョコビッチ以来だったことから、本格的にズベレフの時代が来るのではと思わせる結果となった。

ATP(男子プロテニス協会)は、そのズベレフとBIG4と呼ばれるロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ジョコビッチ、アンディ・マレー(イギリス)が21歳と212日(ズベレフが最終戦優勝した年齢)までに残してきた通算獲得タイトル数、マスターズ1000獲得タイトル数、自己最高ランキング、通算勝敗を比較。時代が異なりはするが、ズベレフがBIG4と遜色ないことを伝えている。その数字は以下の通り。

■通算獲得タイトル数

ナダル 23個

ジョコビッチ 11個

ズベレフ 10個

マレー 8個

フェデラー 6個

■マスターズ1000獲得タイトル数

ナダル 9個

ジョコビッチ 4個

ズベレフ 3個

マレー 2個

フェデラー 1個

■自己最高ランキング

ナダル 2位

ジョコビッチ 3位

ズベレフ 3位

マレー 4位

フェデラー 4位

■通算勝敗

ナダル 254勝66敗

ジョコビッチ 185勝68敗

フェデラー 178勝97敗

ズベレフ 175勝89敗

マレー 155勝65敗

ズベレフはグランドスラムでは最高成績が今年の「全仏オープン」でのベスト8のみと、まだ世界ランキング通りの戦績をあまり残せていないが、マスターズ1000ではすでに3つのタイトルを獲得している。ここ2年はフェデラー、ナダル、ジョコビッチがグランドスラムタイトルを独占してきたが、2019年シーズンにBIG4以外が優勝トロフィーを掲げるならその候補の一人はズベレフだといえるだろう。

もちろん、ズベレフ以外にも今年マスターズ1000を初制覇した世界11位で22歳のカレン・ハチャノフ(ロシア)や、世界12位で22歳のボルナ・チョリッチ(クロアチア)、今年の「Next Gen ATP ファイナルズ」優勝者で世界15位の20歳であるステファノス・チチパス(ギリシャ)といった他の若手の台頭も著しい。

さらには32歳にして最高のシーズンを過ごしたケビン・アンダーソン(南アフリカ)や、再び復活を目指すフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)、今シーズン手首の怪我から復活しトップ10へ返り咲いた錦織圭(日本/日清食品)らもいる。

2018年シーズンが終わったばかりだが、2019年はズベレフの時代が来るのか、BIG4がやはり阻むのか、それとも他の選手が輝きを見せるのか今から楽しみだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」優勝セレモニーでのズベレフ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)