男子ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月11~18日/室内ハードコート)の大会最終日、決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。6-4、6-3のストレートでズベレ…

男子ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月11~18日/室内ハードコート)の大会最終日、決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。6-4、6-3のストレートでズベレフが勝利し、21歳の若さで初優勝を成し遂げた。男子ツアー最終戦のシングルスで優勝したドイツ勢としては1995年のボリス・ベッカー(ドイツ)以来、また21歳の若さでの優勝は2008年のジョコビッチ以来となる。

両者は過去に3回対戦しており、ズベレフから見て1勝2敗。今年の対戦は2回あったが、いずれもジョコビッチに敗れており、最後の最後に1勝をあげて通算成績を2勝2敗のイーブンに戻した。

第1セットは序盤からお互いにサービスゲームをキープする展開が続いた。ここまで粘り強くストローク戦を戦い、この試合初となるブレークポイントを握ったズベレフが、今大会で1セットも落としていないジョコビッチのサービスゲームを破り、第1セットを6-4で先取。

続く第2セットでも、第1ゲームでズベレフが勢いのままブレークするが、第2ゲームでジョコビッチが意地を見せすぐさまブレークバック。それでも第3ゲームで再びブレークを果たしてリードを作る。そしてゲームカウント5-3としたところでズベレフが2本のチャンピオンシップポイントを握る。1本はしのがれたが、続くプレーでジョコビッチの横を抜いたズベレフが6-3で第2セットを連取して勝利を決めた。

勝利が決まった瞬間、ズベレフはコートに倒れ込み、天を仰いだ。そしてそこにジョコビッチが歩み寄り、ハグをして勝利を祝福した。

この試合、ウィナーの数がズベレフの20本に対しジョコビッチが7本、アンフォーストエラーの数がズベレフの18本に対しジョコビッチが23本、さらにエースの数もズベレフの10本に対しジョコビッチが1本だった。さらにズベレフのファーストサーブの成功率は72%と高く、自身のセカンドサーブでもジョコビッチを相手に粘り強く戦い、54%のポイントをものにし、ジョコビッチにプレッシャーを与えた。

試合後に行われたセレモニーでジョコビッチは「ズベレフはラウンドロビンよりも良いプレーをしていました。若いのにここまで素晴らしい成績を残しているし、明るい未来が待っているでしょう。今、彼を含めて若いプレーヤーがどんどん育ってきています。そんな中で自分のチームに感謝したいです。今年はカムバックできて、本当に素晴らしいシーズンでした」とズベレフの勝利を称えるとともに、自身のチームに感謝を伝えた。

続いて優勝したズベレフは「みなさんご存じでしょうが、ノバク(ジョコビッチ)は人として、選手として素晴らしいです。彼と戦えたのは嬉しいです。今日は勝てましたしね」「ノバクが世界ランキング1位に戻れたのは、チームのみなさんのおかげだと思います。世界1位のチームの人と戦えて嬉しいです」と対戦相手のジョコビッチとそのチームを称えた。

そして「父は僕にとってのベストコーチです。感謝したい」とコーチでもある父に感謝の言葉を述べ、さらに今年の夏にコーチとして迎えたイワン・レンドル(アメリカ)に対しても「今回チームに参加してくれてありがとう。これからもよろしく」と語った。また、ファンに対しては「昨日はブーイングをもらってしまったけれど、ファンのみなさんに感謝したい。テニスを愛してくれてありがとう」と語った。

21歳という若さで優勝を果たしたズベレフ。今回の勝利によって今シーズン4勝目、キャリア通算タイトルを10勝とした。さらに今大会のポイント獲得によって世界ランキングを1つ上げ、19日発表の世界ランキングでは4位で今シーズンを終えることになる。(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」優勝セレモニーでのズベレフ

(Photo by Julian Finney/Getty Images)