男子ツアー最終戦として、年間上位8選手で競い合う「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月11~18日/室内ハードコート)。今回の最終戦で優勝候補筆頭とも言えるのは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)ではないだろうか。今シ…

男子ツアー最終戦として、年間上位8選手で競い合う「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月11~18日/室内ハードコート)。今回の最終戦で優勝候補筆頭とも言えるのは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)ではないだろうか。

今シーズン右肘の故障から完全復活を果たし、現在は2016年10月末以来2年ぶりに世界ランキング1位に返り咲いたジョコビッチ。ツアー最終戦では過去史上最多6度優勝のロジャー・フェデラー(スイス)に次ぐ、5度の優勝経験を持っている。

今回で11回目の最終戦出場を予定しているジョコビッチは、2007年に「テニス・マスターズ・カップ(現在のNitto ATPファイナルズ)」初出場。また2度目の出場となった2008年に、決勝でニコライ・ダビデンコ(ロシア)を破って最終戦初優勝を果たした。なお、その時の相手ダビデンコは同大会で翌年2009年に優勝している。

ジョコビッチは今シーズン、1月の「全豪オープン」が復帰大会となった。しかし全豪後に手術を受け、本来のプレーをなかなか取り戻せず一時は世界ランキングも22位まで落ち込んだ。それでも徐々に復調し「ウィンブルドン」で復活優勝を遂げると、8月に行われた「ATP1000 シンシナティ」で、史上初の「ゴールデン・マスターズ」(キャリアの中でATPマスターズ1000の9大会を全制覇)を達成。

さらには、続く「全米オープン」「ATP1000 上海」と出場3大会連続でタイトルを獲得し、「ATP1000 パリ」でラファエル・ナダル(スペイン)が欠場したことにより、一時22位だったジョコビッチの世界ランキングは遂に1位に。ATP公式サイトによると、同シーズントップ20位圏外だった選手が王者の座に登り詰めたのは、2000年のマラト・サフィン(ロシア)以来のこと。

ジョコビッチは世界1位に返り咲いた事について「もちろん、とってもとっても嬉しいし、誇りに思うよ」「5ヶ月前の時点では、その時のランキングやプレー、コートで感じていたことを考えると、とても有り得そうもないことだった」と話した。

鉄壁のディフェンスや精密機械とも言われる正確なショットを完全に取り戻し、"強いジョコビッチ"が再び最終戦の舞台に帰ってくる。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 パリ」でのジョコビッチ

(Photo by Justin Setterfield/Getty Images)