2ヶ月間と長期にわたる関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)もきょうで最終日を迎えた。すでに優勝が決まっている中、最終節は昨年のリーグ戦女王である東京医療保健大と対戦している。きのうは東京医療保健大に20点差近くつけられ敗北を喫し選手たちからは…

 2ヶ月間と長期にわたる関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)もきょうで最終日を迎えた。すでに優勝が決まっている中、最終節は昨年のリーグ戦女王である東京医療保健大と対戦している。きのうは東京医療保健大に20点差近くつけられ敗北を喫し選手たちからは笑顔が消えたが、きょうは優勝校として、リーグ戦最終日を白星で終えようと選手全員が意気込んで臨んだ。序盤は早大ペースで試合を進めたが、徐々に点差を詰められ後半は何度も点数が振出しに戻る展開となった。しかし最後まで粘り強く戦い抜き、3点差の接戦を制し、優勝校としてふさわしい姿を見せた。

 第1クオーター(Q)はきのうの試合から見事に修正し、勢いあるプレーで東京医療保健大を圧倒していく。試合開始直後にG高田静主将(スポ4=山形市立商)が先制点を決めるとF内山未悠(社3=愛知・桜花学園)やF澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)が後に続く。G長谷川玲子(社4=福井・足羽)やC中村美羽(社3=千葉・昭和学院)もシュートを決めるなど出場メンバーがそれぞれの持ち味を存分に発揮しダブルスコアで第2Qにつなげる。第2Qも高田からC田中真美子(スポ4=東京成徳大)の連携をはじめとして攻撃の手を緩めない早大。しかし残り4分頃から東京医療保健大のスリーポイントや早大のチームファウルによるフリースローを許してしまい、じりじりと詰め寄られてしまう。5点差まで詰められ雲行きの怪しい中前半を終えた。


最優秀選手賞、アシスト王を受賞した高田

 第3Q開始1分でバスケットカウントを与えて同点になり、再び振出しに戻った試合は最後までどちらが勝つか読めない展開となる。田中や内山、C中田珠未(スポ3=東京・明星学園)が積極的なアタックでファウルをもらうが両チームファウルがかさみなかなか点数は動かない。第3Qのおわり、第4Qのはじめに澁谷がスリーポイントを沈めチームを鼓舞すると、内山のゴール下、田中のゴール下やスリーポイントも決まり盛り上がりを見せる早大サイド。その後も抜きつ抜かれつの展開となるが残り3分から試合が動いた。高田、中田、田中の得点で1分を残して5点差まで広げると最後は執念のディフェンスで逃げ切り、75-72と僅差で勝利を手にした。


優秀選手賞受賞の田中

 春のトーナメントでは準優勝と悔しい思いをしたが、今リーグ戦では見事に返り咲き圧倒的な強さを見せつけて2年ぶりの優勝をつかんだ。しかし1年の集大成である全日本大学女子選手権(インカレ)優勝を目標に掲げる選手たちにとってはここからがまた新たなスタートとなる。「ワセダのバスケができない期間があった」、「高田に頼りすぎてしまっている部分がある」と田中が振り返った反省点などを1ヶ月間で改善し、インカレもきょうのように笑顔で締めくくってもらいたい。

(記事 阿部かれん、写真 下長根沙羅、森田和磨)


2年ぶりの優勝に選手たちの笑顔も輝いた

第68回関東大学女子リーグ戦 10月28日(vs東京医療保健大)
  1Q2Q3Q4Q合計
早大2315132475
東京医療保健大1122172272
◇早大スターティングメンバー◇
G#21 高田静(スポ4=山形市立商)
C#14 田中真美子(スポ4=東京成徳大)
F#23 澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)
C#33 中田珠未(スポ3=明星学園)
F#37 内山未悠(社3=愛知・桜花学園)
コメント

G高田静主将(スポ4=山形市立商)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

出だしが良かったと思うんですけどその後に追いつかれてしまったというところは、相手が勢いよく来たときに受け身になってしまったのでそこは反省なんですけど、最後しっかり勝ち切れたのはよかったかなと思います。

――接戦を勝ち切れた1番の要因は

向こうのファウルが結構多くて、しっかりこっちがファウルをもらえるように中を攻めれたということと、相手のセンターがファウルアウトしたのでそこでリバウンドをしっかり拾えたのが良かったと思います。

――途中何度か同点に追いつかれてしまった原因は受け身になったことですか

そうですね、後は相手が得意なドライブからキックアウトしてスリーポイントだったりをされてしまったのが追いつかれた原因かなと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

出だしのところでドライブとか積極的に行って点を取れたのは良かったんですけど、後半やっぱりボールをなかなか持てなくなったところで中で勝負するとかをもっと早くできれば良かったなというところと、ジャンプシュートが今週全然入っていなかったのでそこをもう一回練習したいなと思います。

――リーグ戦(関東大学女子リーグ戦)を振り返っていかがですか

チームとしては納得いかない試合も結構あって、でも序盤の方で黒星をつけなかったということが優勝につながったと思うのでそこは良かったなと思います。個人的には、全体的にきょねんより波は無くなったと思うんですけど、やっぱり上のチームとやるときにシュートの精度だったりをもっと上げないとダメだなと思いました。

――一番納得のいく試合はいつですか

拓大戦とかは点も取れて点差も結構あったので良かったかなと思います。

――逆に悪かった試合は

専大の2戦目とかは自分たちが点を取れなくてなかなか自分たちの流れを感じられなかったのと、筑波大戦も2戦目勝ち切れたっていうのはよかったんですけど、点が取れないっていうのは反省で上がりました。

――最優秀選手賞とアシスト王を獲得しましたがそれに関しては

自分はチャンスメイクをするのがこのチームでの役割だと思っているので、それがリーグ戦では出来たのかなと思う反面、やっぱり最後の方はマークが厳しくなって来てインカレ(全日本大学女子選手権)でもマークが厳しくなるというのを予測してそれをさらに上回れるように頑張りたいと思います。

――出場時間も長かったと思いますが、疲労などは大丈夫でしたか

疲労もあるといえばあるんですけど疲れたと思えばそれに流されて終わりだと思うので、あまり思わずにやっていました(笑)。

――インカレに向けて一言お願いします

得点が取れないことが自分たちのチームの悪い点だと思うので、そこは常に得点を取りに行くことを意識してインカレでは勝ちにいきたいと思います。毎年リーグ戦で優勝してもインカレで順位を落としてしまうというのが自分が入学してから毎年続いているので、インカレで絶対日本一になるという強い気持ちを持って残り頑張りたいと思います。

C田中真美子(スポ3=東京成徳大)

――最後はしっかり東京医療保健大に勝ち切ることができました。今のお気持ちはいかがですか

優勝が決まった後の(東京医療保健大との)2戦だったんですけど、1戦目はああいう負け方をしてしまって、ちょっと悔しい思いをしました。きのうの反省をしっかりしてきょうに臨んでいて、みんなで自分たちらしさを出して勝って終われたのは素直に嬉しいし、インカレ(全日本大学女子選手権)に向けてまたみんなで頑張ろうっていう気持ちになりました。

――最後まで拮抗(きっこう)した展開になったと思います。試合展開を振り返ってみていかがでしょうか

出だしが最近ワセダの課題だったんですけど、きょうはみんな出だしに強気で攻められていたと思います。その後にどうしても途中で緩んでしまう部分があるので、1試合を通してやる力をこれから1ヶ月つけていかなければいけないと思います。

――インサイドで攻めあぐねた場面もあった印象でした

向こうがインサイドを厚く守ってくるディフェンスだったので、それをおとりにしてもっと違う攻め方をしていたら、もっと違ったかなと思います。インカレでもそういう守り方をしてくるチームがあると思うので、反省しつつ改善していけたらいいなと思います。

――最優秀選手賞を獲得されました。きょうのご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

個人的な話なんですけど、静(G高田主将、スポ4=山形市立商)からのアシストで決められたのはすごく嬉しかったです(笑)。個人的にはミスもすごく多かったんですけど、周りに助けられてのこれ(最優秀選手賞)だと思います。

――リーグ戦全体を振り返ると、戦いぶりはどうでしたか

途中で星を落とさなかったことが、今回の優勝の要因だと思います。そこは自信に変えて、でも途中でワセダらしいバスケができない期間もありました。まだ自分たちが目指しているので、長い2か月間を戦い抜いたことは自信に変えて、また日本一に向けて頑張りたいなと思います。

――インカレに向けて調整したいことはありますか

高田に頼りすぎになってしまっている部分もすごいあって、何度も助けられました。1人に頼りすぎるのではなくて、2人3人と協力して点を取りにいったりとか、もっとチームプレーで魅せられるようなバスケをインカレではしたいなと思います。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

最近はインカレで負けてしまっているので、1戦1戦絶対優勝したいと思います。