ハンディキャップを一切気にせずスケートボードを楽しむフランス人ライダー

スケートボードはハードだ。フィジカルもメンタルも求められるこのスポーツを片足でやるのは難しい…。しかし、それをクレメント・ザンニーニは毎日している。ザンニーニは右足が不自由だが、スケートボードの才能は他人と変わらない。長時間のセッションをこなしたあとは痛みを抱えてしまうが、スケートボードへの愛が、彼をまたすぐにスケートボードへ向かわせる。

今回はザンニーニの地元で数日間一緒に行動をし、彼が自分の人生とどう向き合っているのかを間近で体験してみた。若き彼のライディングからは勇気と不屈の精神、そして素晴らしい回復力が伝わってきた。映像をチェックしたあとで、インタビューを楽しんでもらいたい。

-まずは自己紹介を!

「僕はクレメント・ザンニーニ。23歳で、飲料水で有名なフランスのヴィッテルに住んでいるよ」

-足が不自由でもスケートボードに乗れると気付いたのはいつですか?

「子供の頃からすごくアクティブだったけど、スケートボードに乗ろうとは思っていなかった。でも、みんなと同じで、ある日普通に乗ってみたんだ。時間と共に僕には限界があること、僕にはメイクできないトリックがあることに気付いたけど、誰だってパーフェクトにはなれないよね。どれだけ努力したってそれは無理なんだ」

-ショートパンツでライディングしていますが、これは足が不自由でもライディングできるんだ、何だって可能なんだということを示すためですか?

「義足でパンツが破れるのが嫌だからショートパンツにしたんだ。すぐにしっくりきたね。まるでマスクを外した感覚だった。足が不自由なことをアピールするつもりはないよ。他人と違うっていうのは実はかなり気分が良いけどね。なんだって乗り越えられるってことは理解しているよ。自分がやりたいと思うならできるってね。でも、歩くことさえできなくなると、自分に限界があることを痛感するよね。残念ながらそういうタイミングはよくあるんだ」

-世間はライディングしているあなたをどう思っているのでしょう。世間からの視線は厄介ですか?それとも励みになりますか?

「色々な反応があるよ。勇気づけられると言ってくれる人もいれば、馬鹿だなって思っている人もいるんだ。僕は世間の反応を気にしないようにしている。話しかけてきてくれたり、僕のライディングを見てくれたりすると嬉しいけどね」

Written by Greg Poissonnier / Film  © Red Bull Media House