慶大が3対1で早大を退け、今秋の完全優勝と46年ぶりの3連覇に王手をかけた。1失点完投で6勝目を挙げた慶大・髙橋佑  ここまで8勝3敗での勝ち点4の2位・慶大は、今カードで勝ち点を獲得すれば優勝決定。一方、7勝3敗1分けの勝ち点3の3…

 慶大が3対1で早大を退け、今秋の完全優勝と46年ぶりの3連覇に王手をかけた。

1失点完投で6勝目を挙げた慶大・髙橋佑

 

 ここまで8勝3敗での勝ち点4の2位・慶大は、今カードで勝ち点を獲得すれば優勝決定。一方、7勝3敗1分けの勝ち点3の3位・早大は、1敗した時点で優勝の可能性が消滅(今カード2勝0敗の場合、法大との優勝決定戦)。ともに優勝の可能性を残し迎えた伝統の早慶戦に、約2万2000人の観衆がスタンドを埋めた。

 その歓声の中、今季5勝を挙げている慶大・髙橋佑樹(3年・川越東)と2日前のドラフト会議で千葉ロッテから3位指名を受けた早大・小島和哉(4年・浦和学院)の両左腕が投手戦を展開。ともにピンチを背負いながらも要所を抑え、0対0のまま5回を終えた。

試合が動いたのは6回裏だった。慶大が、この回先頭の柳町達(3年・慶應)の2塁打から四球とヒットで無死満塁の絶好機を掴み、6番・内田蓮(4年・三重)の押し出し四球で均衡を破ると、さらに7番・嶋田翔(2年・樹徳)がレフト前タイムリーを放って2点を先制。続く7回裏には、小原和樹(3年・盛岡三)がタイムリー2塁打を放って貴重な追加点を挙げた。

6回裏、無死満塁から慶大・嶋田がチーム2点目となるタイムリーを放つ

 

 「気持ちを振り絞って投げた」という慶大の先発・髙橋佑は、5回から3イニング連続で三者凡退に仕留めた後、8回に1死2、3塁のピンチを背負ったが、後続を断って渾身のガッツポーズ。高校1年夏の埼玉県大会決勝で「ボロボロでした」と1対16と大敗し、「雲の上の存在だった」という早大・小島に投げ勝っての今季6勝目を、立大との1回戦、3回戦に続いて自身3試合連続の完投勝ちで飾った。これで優勝に王手。慶大・大久保秀昭監督は「そう簡単には行かないでしょう」と言いながらも、「明日もやれるんじゃないかという期待感は持っています」と自信を見せた。

8回表のピンチを切り抜けてガッツポーズする慶大・髙橋佑

 

 一方、敗れた早大は土壇場の9回に代打・黒岩駿(4年・長野日大)のタイムリーで1点を返して意地を見せたが、相手の6安打を上回る計8安打を生かし切れず。エースの小島は制球が定まらずに計8四球が響き、優勝の可能性が消滅した。

早大のエース・小島は計8四球と制球に苦しんだ

 

■慶應義塾大vs早稲田大1回戦
早稲田大  000 000 001=1
慶應義塾大 000 002 10X=3
【慶】○髙橋佑-郡司
【早】●小島、早川-岸本

◎慶應義塾大・大久保秀昭監督
「粘り勝った。苦しい状況の中でも髙橋(佑)が小島君に投げ負けずに早稲田打線に立ち向かってくれた。(小島は)やっぱり一番良いピッチャー。勝機をちゃんと逃さずにものにしてくれた。(髙橋佑は)は自分から崩れない。熱くなるところが解消されて、きっちりとバッターとの状況を整理できている。柳町もヘッドが走り出した。そう簡単には行かないでしょうけど、明日もやれるんじゃないかという期待感は持っています」

◎慶應義塾大・髙橋佑樹(3年・川越東)
「勝って良かった。勝てば何でもいいという試合だった。何とか粘って勝利に繋げられて良かった。どの試合も大事ですけど、今日の初戦を取れて良かった。勝つならロースコアと先週からずっと言われてきて、すごい責任が大きいと思っていた。大したピッチャーじゃないですけど気持ちを振り絞って投げた。僕が今日勝てたのは野手が点を取ってくれたおかげ。僕が勝ったというより、チームとして勝った」

◎慶應義塾大・柳町達(3年・慶應)
「(3安打の活躍に)3本打てたのは奇跡ですけど、髙橋佑が好投していたので助けたいという想いだった。(46年ぶりの3連覇へ)受け身にならずに攻めていく気持ちで臨むこと。応援席にいるメンバーたちのサポートもあってグラウンドに立てている。その人たちの想いも背負って、絶対明日(優勝を)決めたいと思います」