<Tプレミアリーグ2018/19シーズン男子 10月26日(金)武田テバ オーシャンアリーナ>26日に行われたTリーグ男子の岡山リベッツと琉球アスティーダの一戦は「初のビクトリーマッチ」「初の1人が3回出場」といったTリーグの歴史において初…

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン男子 10月26日(金)武田テバ オーシャンアリーナ>

26日に行われたTリーグ男子の岡山リベッツと琉球アスティーダの一戦は「初のビクトリーマッチ」「初の1人が3回出場」といったTリーグの歴史において初ものづくしの試合となった。Tリーグ男子開幕2戦目にして生まれた2時間36分の激闘を振り返ろう。

前半は琉球ペースで試合が進んだが…

ミス沖縄登場が選手のモチベーションを高めたことも影響してか、試合の前半は琉球ペースで試合が進んだ。チーム内で世界ランク最高位のイ・サンス(韓国)を欠く岡山リベッツは、1番の森薗・横山ペアが元世界王者の荘・陳(台湾)ペアに、2番の吉田雅己が琉球のエース丹羽に敗れ、0-2と後が無くなった。

*写真は丹羽孝希(琉球アスティーダ)<Tプレミアリーグ2018/19シーズン男子 10月26日(金)武田テバ オーシャンアリーナ>両国国技館での男女開幕戦を終えたTリーグは、26日から28日まで男女各4チームずつが一同に会して戦う「セントラル方式」でのステージに移行...
【卓球・Tリーグ】エース丹羽が吉田にリベンジ 琉球2連勝で前半折り返す - 卓球専門WEBメディア「Rallys(ラリーズ)」

ところがハーフタイムを挟んだ後のリベッツは勝負強かった。

男を上げた岡山リベッツ主将の上田仁



上田仁(岡山リベッツ)


「オーダーを見て3番の上田が勝負だと思った」(白神監督)との期待に見事に応える形で、岡山リベッツ主将の上田仁は気迫のこもったプレーを見せた。「男を上げるのはここしかないと思った」(上田)との熱い言葉とは裏腹に上田らしいクレバーな卓球でベテラン荘とのラリー戦を制して、ゲームカウント3-1で勝利。一気に流れを引き寄せた。

倉嶋代表監督からのお題に応えた森薗政崇



森薗政崇(岡山リベッツ)


トップのダブルスでの敗戦をひきずることなく、4番で元気に登場した森薗はとにかくよく動いた。目線をネットの高さまで下げた独特の構えから、球界一の健脚を誇る松平賢二(琉球アスティーダ)を凌ぐフットワークを見せ、ゲームカウント3-1とし、ラストへ望みを繋いだ。

団体戦5番はTリーグ特別ルールの「ビクトリーマッチ(VM)」方式が開幕後はじめて運用された。岡山は森薗が4番に続いての連続出場をし、琉球はエース丹羽が登場した。VMとは1ゲームのみの短期決戦のことだ。五輪を目指すTリーガーたちは日頃7ゲームマッチのワールドツアーで勝利し、世界ランキングを上げるための対策をし続けている。そんな彼らにとって1ゲームはあまりにも短い。だが森薗は「変速的で、イベント的要素が強い方式だとは思うが、いろんな境遇で勝てるのが本当に強い選手」と動じなかった。

「先にフォアで回り込んだモン勝ちだなと思った」(森薗)と勝負のポイントを嗅ぎ分けた森薗はこの試合、得意のバックハンドでの安定した連続攻撃は封印し、代わりにリスクを犯して先にフォアハンドで攻める戦術を多用した。丹羽も試合後「とにかくフォアで良く回り込んで来た印象。いい戦術だった」と脱帽。



丹羽孝希(琉球アスティーダ)も森薗のフォアハンドとフットワークに脱帽

実はこの戦い方に影響を与えた人物がいる。それはナショナルチーム男子監督の倉嶋洋介氏だ。森薗はTリーグ開幕戦直前のナショナルチームの合宿で、倉嶋監督からティモ・ボルのフォアハンドを研究するようお題を与えられていたという。ティモ・ボルはドイツ代表のエースで10月の男子ワールドカップで張本智和(木下マイスター東京/JOCエリートアカデミー)を下している卓球界のレジェンドだ。森薗と同じサウスポーから繰り出される回転量の多いフォアハンド攻撃が特長のボルを研究してきた森薗は、その成果を早速結果に繋げた。次々と他のプレーヤーのいいところを取り入れて進化を続ける森薗らしさが現れた一戦となった。

【卓球・Tリーグ】岡山リベッツvs琉球アスティーダ 開幕戦ハイライト動画

1番のダブルス、4番シングルス、そして5番のビクトリーマッチと1試合に3回も登場した森薗が今日の岡山-琉球戦のヒーローとなった。



ヒーローインタビューに答える森薗政崇(岡山リベッツ)

ここまでTリーグ開幕から4試合が行われたが、この岡山-琉球戦がスコア上、最も接戦で盛り上がった試合となった。他の男女3試合が3-1か4-0の一方的な展開となる中、0-2からの大逆転で3-2となった試合展開に加え、5番のビクトリーマッチにおける白熱した好ゲームにより、集まったファンの満足度は高いものになったに違いない。

試合後の会見でキャプテンの上田は「今日はベストメンバーとはいかなかったが、逆にチームワークが高まった。試合前に(今日出られなかったイ・サンスを)いい状態でチームに迎えられるようにしようとみんなで話した。全日学に出場中の吉村(和弘)からも応援のメッセージがあり、そういうところも含めたチームワークが今日の勝因」と団体戦に強い岡山をアピールした。

惜しくも敗れた琉球アスティーダは次戦、水谷、張本率いる木下マイスター東京と、勝利で勢いに乗る岡山リベッツはT.T彩たまと、いずれも27日に対戦する。

Tリーグ2018/19男子開幕戦(前半)岡山リベッツ 3-2 琉球アスティーダ

森薗政崇/横山友一 0-2 ◯荘智淵/陳建安

9-11/7-11
吉田雅己 1-3 ◯丹羽 孝希

9-11/11-5/9-11/4-11
◯上田 仁3-1荘智淵
5-11/12-10/11-2/11-5
◯森薗政崇3-1松平賢二
11-5/11-9/4-11/11-7
◯森薗政崇1-0丹羽孝希
11-8