「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」山崎智也 やまざき・ともや磐田南高→静岡大投手・右投右打・177センチ77キロ1997年3月25日生(21歳)  高校最後の夏はわずか4球で終わりを告げた。中学時代までは主に外野手で進学校の磐田南に進ん…

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

山崎智也 やまざき・ともや
磐田南高→静岡大
投手・右投右打・177センチ77キロ
1997年3月25日生(21歳)

 

 高校最後の夏はわずか4球で終わりを告げた。中学時代までは主に外野手で進学校の磐田南に進んでから投手を始めたがエースにはなれなかった。高校3年の夏は、静岡大会初戦で負けている状況の8回裏途中から打者2人に投げたのみで幕を閉じた。一方で「まだまだ心残りがありました」と不完全燃焼に終わっただけに、大学でも硬式野球を続けることを決めた。
とはいえ、当時の球速は最速でも133キロほどで、当然強豪校からの勧誘は無し。2014年春に全日本大学野球選手権に43年ぶりの出場を果たした国立の静岡大に進学した。

 だが、そこで眠っていた才能が徐々に目を覚ます。まずその好素材に気づいたのは高山慎弘監督(当時コーチ)だ。「キャッチボールで投げていた球は、浮いてくるような軌道の良い球でした」と才能の一端を感じ取った。

 そこで肩甲骨の柔らかさを生かしながら下半身強化ができるよう短距離のダッシュを繰り返させた。またブルペンでは「少ない球数を全力で投げるように」と伝え、思いきり投げ込んでいくことで球速の向上を目指した。すると、球速は大学1年の冬を越えた時点140キロを超えるようになり、2年夏には145キロを計測した。
 そして3年時から徐々に登板機会を増やしていくと、柔軟性のあるフォームや糸を引くような球筋のストレートに将来性を感じたNPB球団のスカウトが多く視察に訪れるまでになった。

 静岡学生リーグ通算8勝と実績は少なく課題は残るが、ひたむきに高みを目指してきた強い意志と柔軟性のあるしなやかな肉体が持つ可能性は、まだまだ底知れないものがあるのは確かだ。

文・写真=高木遊

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