木下マイスター東京 Photo:Itaru Chiba 日本卓球史に新たな歴史を刻む待望の瞬間がやって来た。新プロリーグ「Tリーグ」の開幕だ。大相撲の殿堂である両国国技館で10月24日に行われた開幕戦は光と音を駆使したど派手なオープニングセ…

木下マイスター東京 Photo:Itaru Chiba

 日本卓球史に新たな歴史を刻む待望の瞬間がやって来た。新プロリーグ「Tリーグ」の開幕だ。大相撲の殿堂である両国国技館で10月24日に行われた開幕戦は光と音を駆使したど派手なオープニングセレモニーの後、夜7時に試合開始。



 観客席にはまだ空席が目立ったが、試合が始まるとそれも徐々に埋まっていき、男子のT.T彩たまvs木下マイスター東京という好カードに会場が沸いた。リーグ側から発表された入場者数は5,624人。

試合会場 両国国技館 Photo:Itaru Chiba

 T.T彩たまの柱はキャプテンの吉村真晴だ。リオ2016五輪男子団体銀メダル、世界卓球2017ドイツ混合ダブルス金メダルなどの実績から第1マッチのダブルス起用が予想されたが、ダブルスに登場したのは韓国代表メンバーのチョンヨンシクと元卓球選手でロンドン五輪銀メダリストの平野早矢香さんの弟・平野友樹。吉村は第2マッチのシングルスを任された。

 マッチカウント0-2でリードする木下マイスター東京の3番手は張本智和。今年4月のアジアカップ横浜大会でストレート勝ちしたT.T彩たまのコウ鎮廷(台湾)に再びストレートで勝ち圧巻の強さを見せつけた。

張本智和 Photo:Itaru Chiba

 この張本の勝利によって木下マイスター東京の初戦白星が決定したが、勝敗が決まっても第4マッチを行うというのがTリーグの独自ルール。これによってチョンヨンシクと水谷の日韓対決が行われ、このラストマッチがフルゲームにもつれ込む大接戦となった。

 特に6-6から始める新方式の最終ゲームは大いに盛り上がった。これもTリーグの独自ルールで、ビクトリーマッチ(マッチカウント2-2で並んだ場合に行われる)を除く全てのマッチの最終ゲームに適用される。これは「全体の試合時間を2時間程度に収めたい」(松下浩二チェアマン談)とするTリーグ側の意向によるもので、T2 APECの独自ルール「キルゾーン」(1試合24分の時間制限の中で22分を過ぎて次のゲームに入った場合、5ポイント先取になる)に近い考え方と言えるだろう。

チョンヨンシク Photo:Itaru Chiba

 その最終ゲームで先にマッチポイントを握ったのは木下マイスター東京の水谷。ところがT.T彩たまのチョンヨンシクが7-10からすさまじい追い上げを見せ、2度のマッチポイントをしのぎ13-11で大逆転勝利を収めた。だが木下マイスター東京の勝利は変わらず、マッチカウント1-3で木下マイスター東京が勝ち点3を手にしている。

 開幕2日目の25日は女子のTOP名古屋 vs 日本生命レッドエルフの初戦が両国国技館で行われる。各チームのベンチ入りメンバーはTOP名古屋が森薗美咲、安藤みなみ、サマラ、呉穎嵐、ソヒョウォン、鄭怡静。日本生命レッドエルは平野美宇、早田ひな、森さくら、前田美優、陳思羽、常晨晨。

<開幕戦 試合結果>
【T.T彩たま 1-3 木下マイスター東京】
第1マッチ チョン ヨンシク/平野友樹 0-2 水谷隼/松平健太
第2マッチ 吉村真晴1-3 大島祐哉
第3マッチ コウ鎮廷 0-3 張本智和
第4マッチ チョン ヨンシク 3-2 水谷隼
※ダブルス=3ゲーム、シングルス=5ゲーム