「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

川原陸(かわはら・りく)創成館
投手 左投左打
185センチ84キロ
2000年12月12日生まれ
【写真提供=長崎新聞社/共同通信イメージズ】

 

 この1年、大阪桐蔭に勝った高校、で注目されてきた。約1年前の明治神宮大会の準決勝で大阪桐蔭に7対4で破ったのだ(決勝は明徳義塾に0対1で準優勝)。今年度の大阪桐蔭は公式戦の敗戦はこのゲームのみだった。

 長崎の創成館は野球部員約140人。うち、投手が40人ほどいるという。チームの特徴は複数投手陣。真夏の大会を勝ち抜くには複数の持ち駒が最近は必須となっている。今年は5人の投手陣の分業制で戦った。そのなかでエース番号を背負ったのが川原だ。

 長崎市出身。中学時代は長崎北シニアに所属。外野手として日本代表に選出されて、全米選手権に参加した。
 高校2年春、外野手からピッチャーを志願し転向してベンチ入り。しかし夏の県大会の準々決勝で敗れる。稙田監督は「お前のせいで負けた。悔やんでいる暇はない」と叱咤したという。そこから反抗が始まった。

 川原が成功した点として、まず稙田監督は左投手の育成に長けていたということ。社会人の指導者時代、帆足(元ソフトバンク)、有銘(元楽天)の二人を育て、プロでも活躍できる人材にしている。左腕を見る目は確かなのだ。それと、分業制でいろんなシーンで対応して投手経験は浅いのに、ゲームの経験を積んで来た点だ。
2年秋にチェンジアップをマスターしてエースの座につく。長崎県を制して臨んだ九州大会でも延岡学園に11奪三振初完封、決勝の富島戦ではリリーフして3回無失点で初優勝の原動力になった。

 明治神宮大会は山陽、聖光学院を破り大阪桐蔭戦。2番手とし4回3分の2イニングを3安打5奪三振、無失点の好リリーフ。秋の公式戦は59回を投げて66奪三振。防御率1・06と見事なものだった。

 センバツでも先発、リリーフをこなし2勝してベスト8に。準々は智辯和歌山と打撃戦。5回途中からリリーフし9回裏、2安打と2四球で2点差を追いつかれ、降板した。結果は延長でサヨナラ負けの悔しいゲームになった。

 夏の長崎大会は2回戦、3回戦、準々決勝と3試合に先発。序盤に好投してゲームを作った。決勝は先発して完投。
 甲子園は優勝候補の一角の評価。しかし初戦、創始学園に0対7で完敗。先発したが5回途中2死から5連打を浴びて、まさかのKO劇だった。
杉内タイプと言われ、U18の1次候補にもなった。ワインドアップから角度があって伸びるストレートは常時130キロ台の後半。最速は141キロだ。縦横のスライダーで空振りが取れる。右打者への外角チェンジアップも有効だ。制球力が高く、ピンチでも動じない落ち着きがある。

 プロではどんなシチュエーションで躍動するだろうか。

(文・清水岳志)

TBSテレビ「プロ野球ドラフト会議」番組公式サイト
http://www.tbs.co.jp/baseball-draft/