「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

山下 航汰 (やました・こうた)健大高崎
左翼手 右投左打
175センチ 77キロ
2000年11月15日生まれ
【写真提供=共同通信社】

 

 機動破壊。隙あらば次の塁を狙う野球の健大高崎。機動力を持ち味にダイヤモンドを駆け回ってきた。そういう強烈な個性のあるチームにあって、走らなくてもいいスタイルで、自らの個性を伸ばしてきた。ホームランを量産してプロに挑む時を間近に迎えている。

 大阪府柏原市の生まれ。小学校(柏原ヤンキース)から野球を始め、中学ではダルビッシュ有が所属した羽曳野ボーイズに在籍した。強豪チームで22本の本塁打を記録。3年時にはジャイアンツカップで優勝している。

 右足を開いてオープンスタンスで構え、やや上から叩いてボールにスピンをかけて飛距離を伸ばす。高校通算75本の本塁打は今年の高校生の中では未公認の記録ながら最多を誇る。2年のセンバツで札幌一、福井工大福井戦で史上二人目、2本の満塁本塁打を記録して11打点を稼いでベスト8に。その夏の群馬県大会、5試合連続ホームランも県の記録だ。

 また、ホームランの数とともにミートの巧さに定評がある。ホームランバッターには珍しく三振が驚くほど少なく、数試合に一つほどなのだ。懐が深く、体の近くに来て球速が落ちる変化球も、手元まで引き付けて打つ技術がある。小学校時代、バドミントンの羽根を打って、最後までボールを見極める練習をしたという。好きなプロ野球選手はオリックス・吉田正尚。体格やフルスイングのスタイルは近いものがある。

 50メートル走6秒3とトップバッターとしては遅い方かもしれない。が、牽制のタイミング、相手の守備位置などを観察して頭を使った走塁術が巧みだ。

 研究熱心、探求心も旺盛。右足の上げる高さ、グリップの位置などフォームの修正を日々、欠かさない。3年春からバットの長さも短いものに変えたが、コンパクトなスイングでも飛距離が変わらなかったことに気づいたそうだ。

健大高崎では1年春からベンチ入りし、夏からは1年生で4番外野手としてレギュラー。2年では主に一塁手としてプレーしていたが、2年秋からレフトに転向。3年春の関東大会では1番打者として打率・350、1本塁打4打点の活躍でチームの優勝に貢献した。惜しむらくは3年夏。6試合で19打数9安打したが、前橋育英に3年連続で決勝で敗退。夏の甲子園に縁はなかった。

珠算3級、暗算4級、剣道4級という、ちょっと異種の特技を持つ。野球のみ一直線ではなく、そのバラエティーの豊富さが研究熱心さにつながっているかもしれない。

(文・清水岳志)