「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

野村大樹(のむら・だいじゅ)早稲田実
172センチ 81キロ
内野手・捕手 右投右打
2000年9月10日生まれ
【写真提供=共同通信社】

 

 誕生日にプロ志望届を提出した。人生のターニングポイントを明確に記すために。それほどの大きな決断だったと思う。

 宝塚市生まれで枚方ボーイズ、福島シニアなど関西の強豪チームを経て早実へ。斎藤佑樹の決勝再試合(2004年)、清宮幸太郎の1年夏を甲子園のスタンドから見て、早実進学を決意する。その際、両親を大学進学も視野にいれて、と説き伏せたという。だから、早大進学が既定路線とみられていたから、プロ志望は意外だった。100回目の夏は西東京大会4回戦敗退で最後の甲子園は出られず。夏の間中、進路を考えたそうだ。10回ほどの家族会議をしたという。
 「プロ野球は小さいときからの夢。野球に専念するにはプロが最適な場所だと思った」。最後は家族も快く賛成してくれたそうだ。
 去年、清宮幸太郎も早大には進学せず、プロ入りした。「その影響も少なからずありました」。

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 1年春から3番・清宮の後の4番を打ってきた(2年秋からは3番)。1年秋の東京大会決勝。清宮が日大三の桜井(DeNA)に5三振に打ち取られるが、右中間にサヨナラ2ランを叩き込んで翌春のセンバツを決めた。 唯一の甲子園となった里帰りのセンバツ。2試合で9打数5安打2打点と活躍した。
 
2年春の東京大会決勝も日大三と。延長12回で18対17の大激戦でも5安打2本塁打。清宮の次でも臆することはなく実力を出し切れる安定した精神力も評価される。清宮卒業後はキャプテンに。ポジションは入学時はサード。2年春からキャッチャーにコンバートされ絶対的エースのいない投手陣をリードした。

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最後のゲームとなった八王子戦。7回に場外2ラン。9回にも1点差に詰め寄る2ランを放ったが届かなかった。この試合、4安打4打点など大きな舞台、ここぞの場面でよく打った。和泉監督が「主将という負担がなかったらもっと、バッティングの数字は伸びたでしょう」。
高校通算ホームランは68本まで伸びた。早実には専門のトレーニングコーチいて、小さい体格だが、体幹を鍛えていてスイングスピードも増している。冬場はフライボール革命を実践して、打球にバックスピンをかけて飛ばす技術を磨いた。右方向への大飛球も持ち味。変化球も手元に呼び込んで右に苦にせずはじき返す。また捕手の経験を生かして配球を読んで打つこともスタイルの一つ。

 さて、どこを守るのか。肩はいいのでサードはこなせそう。人材の少ない打てる捕手としても魅力がある。西武のキャッチャー森、の右打者版、という辺りも想像したくなる。

(文・清水岳志)