「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

 

長谷川 凌汰 はせがわ・りょうた
福井商高→龍谷大→新潟アルビレックスBC
投手・右投左打・188センチ92キロ・1995年11月8日生(22歳)

 

 

 

 188センチの長身から快速球を投げ込む大型右腕も大学時代はどん底をさまよった。福井商で長身と強肩を見込まれて投手に転向。3年夏は福井大会でわずか1イニングの登板ながらも、甲子園で2勝を挙げるラッキーボーイとなった。
 だがそこで「テングになってしまった」と振り返る。また、龍谷大入学後にだんだんとフォームを見失いはじめ、高校時代に141km/hだった球速は最終的に120km/h近くまで落ち込んだ。それでも「プロ野球選手になりたい」という原点の気持ちを胸にウェイトトレーニングを妥協なく積んでいき、入学時に78kgだった体重は92kgに。4年春には当時のコーチから足を高く上げる現在のフォームを提案されると、ようやく高校時代の球速に戻った。そして秋には148km/hを計測するまでになった。

 当初は野球の継続を諦め一般企業の営業職に内定をもらっていたが、投手としての自分に「期待してもいいのかな」と一念発起し、独立リーグ挑戦を決意。1年目となった今季は新潟アルビレックスBCで、前半戦は主に抑え、後半戦は主に先発を任されて6勝5敗、防御率3.09の記録を残した。
 また、独立リーグの良さを「自分の意識次第でいくらでも伸びるところだと思います」と話したように、多くの自由時間がある分を自主練習に充て「目的意識突き詰めていくと時間が足りないくらい」と言うほど目標を見つめ、自らと向かい合ってきた。
 さらに、NPBで長年活躍した村田修一(栃木ゴールデンブレーブス)と複数回対戦することで、「いかにして打者を抑えるかをより考えるようになりました」と視野を広げた。

 1年の集大成となるルートインBCリーグ選抜とNPB球団との交流戦では、10月2日の阪神戦と3日のオリックス戦で登板。阪神戦では初回に江越大賀に148km/hのストレートを見せて、最後は134km/hのスライダーで見逃し三振を奪うと、荒木郁也には150km/hのストレートでレフトフライ、板山祐太郎には150km/hのストレートを連発して内野ゴロに打ち取った。続く2回には「フォームのバランスを崩してしまいました」と、威力の落ちたストレートをロサリオに弾き返される本塁打を浴びたが後続は冷静に無失点で抑えた。
 また、翌3日のオリックス戦では自己最速の153km/hを計測。この日は無失点で切り抜けた。
 武器は角度を生かした「ストレートとフォークのコンビネーション」と語り、課題にはフォームの安定性などを挙げた。一方で、大学時代に回り道をしたからこそ「今のフォームやボールがどうか、客観的に自己分析できるようになりました」と話す。
 回り道の道中で得た強靭な体と精神も今後の大きな武器となりそうだ。

文・写真=高木遊