男子トップ選手たちによるドリームチームの大会「レーバー・カップ」(アメリカ・シカゴ/9月21日~23日/室内ハードコート)。この夢の祭典が昨年に続き開催され、現地21日に初日の4試合が行われた。何と言ってもこの日に大注目だったのは、ロジャー…
男子トップ選手たちによるドリームチームの大会「レーバー・カップ」(アメリカ・シカゴ/9月21日~23日/室内ハードコート)。この夢の祭典が昨年に続き開催され、現地21日に初日の4試合が行われた。何と言ってもこの日に大注目だったのは、ロジャー・フェデラー(スイス)/ノバク・ジョコビッチ(セルビア)による夢のダブルスペアだ。
フェデラー/ジョコビッチはケビン・アンダーソン(南アフリカ)/ジャック・ソック(アメリカ)に7-6(5)、3-6、6-10で惜しくも敗れたが、初日は「チーム・ヨーロッパ」(欧州選抜)がトータルポイント3-1で先行した。
■この大会の目玉、フェデラー/ジョコビッチのダブルス。
フェデラーはこの大会前、ジョコビッチとダブルスを組むことについて「すべてのシングルスのコートで、偉大な戦いを繰り広げてきた。チームを組むことは、両者にとって非常に特別なものになる。おそらく、誰がリードするか具体的にどうプレーするのか、少し話し合わなければならないでしょう」と話していた。
一方のジョコビッチは「これがまさに大会の目玉で、我々をチームにまとめ上げている」と話した。
さらにポジションについて尋ねられると、フェデラーは「デュースサイド(右側)を取るつもりです。ノバクがそれでよければ、喜んでデュースサイドでプレーします」と、それに対しジョコビッチは「バックハンド(アドバンテージサイド・左側)で大丈夫だ」笑顔で答えていた。その発言通り、試合ではフェデラーがデュースサイドに、ジョコビッチがアドバンテージサイドに入った。
試合が始まると序盤、ジョコビッチのショットが前衛のフェデラーに当たるハプニングが。これにはジョコビッチが手で口をふさぎ「しまった!」という表情を見せた。また二人は、コートチェンジの際にベンチで笑顔で会話するなど、良い雰囲気の中でプレーしていた。
とはいえ当然、試合は真剣勝負。今シーズン「全米オープン」ダブルスで優勝したばかりのソック、そしてとにかく強力なサービスを放つアンダーソンを相手に互角のダブルスを展開した。第1セットはフェデラー/ジョコビッチがタイブレークを制して先取、しかし第2セットは第4ゲームにブレークを喫し勝負は最終セットにもつれ込んだ。
同大会では10ポイント先取のスーパータイブレーク制となる最終第3セット。フェデラー/ジョコビッチは痛恨のダブルフォルトで相手にミニブレークを許すと、最後はリターンエースを決められ惜しくも敗れた。
■真剣勝負にスーパープレーの連続、その中でもトップ選手たちの笑顔も。
この日は夢の祭典にふさわしく、スーパーショットの数々やダビド・ゴファン(ベルギー)対ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)の逆転につぐ逆転など見どころ満載だった。
ポイント間には試合を応援する両チームのメンバーが様々なリアクションで大盛り上がり。特に「チーム・ワールド」の面々はテンションが高く、まるでサッカーでゴールを決めた直後のような全員でのパフォーマンスが満載。トップ選手たち自身も大いに楽しんでいる姿が魅力の一つだ。◇ ◇ ◇【レーバー・カップのルール】「レーバー・カップ」は、青いウェアの「チーム・ヨーロッパ」(欧州選抜)と赤いウェアの「チーム・ワールド」(世界選抜)の2チームに分かれてのチーム対抗戦。大会初日は1試合の勝利ポイントが1ポイント、2日目は2ポイント、最終3日目は3ポイントを獲得するルール。3日間で計12試合(各日シングルス3試合・ダブルス1試合)行い、計13ポイント以上獲得したチームが勝利となる。(もし計12試合でトータルポイント12-12のイーブンとなった場合、ダブルス1試合を追加で行って勝敗を決する)
【レーバー・カップ 初日の試合結果】
◆トータルポイント
「チーム・ヨーロッパ」3-1「チーム・ワールド」
※左:「チーム・ヨーロッパ」、右「チーム・ワールド」
第1試合(シングルス)
〇グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)6-1、6-4 ●フランシス・ティアフォー(アメリカ)
第2試合(シングルス)
〇カイル・エドマンド(イギリス)6-4、5-7、10-6 ●ジャック・ソック(アメリカ)
第3試合(シングルス)
〇ダビド・ゴファン(ベルギー)6-4、4-6、11-9 ●ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
第4試合(ダブルス)
●ロジャー・フェデラー(スイス)/ノバク・ジョコビッチ(セルビア)7-6(5)、3-6、6-10 〇ケビン・アンダーソン(南アフリカ)/ジャック・ソック(アメリカ)
【レーバー・カップ 両チームのメンバー】
◆「チーム・ヨーロッパ」
キャプテン:ビヨン・ボルグ(スウェーデン)
ロジャー・フェデラー(スイス)
アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
ダビド・ゴファン(ベルギー)
カイル・エドマンド(イギリス)
ジェレミー・シャルディ(フランス)※控えの選手
◆「チーム・ワールド」
キャプテン:ジョン・マッケンロー(アメリカ)
ケビン・アンダーソン(南アフリカ)
ジョン・イズナー(アメリカ)
ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
ジャック・ソック(アメリカ)
ニック・キリオス(オーストラリア)
フランシス・ティアフォー(アメリカ)
ニコラス・ジャリー(チリ)※控えの選手(テニスデイリー編集部)
※写真は「レーバー・カップ」ダブルスでのフェデラー(右)とジョコビッチ(左)
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for The Laver Cup)