東京六大学野球秋季リーグ戦 対明大 神宮球場 前週の早大戦で、3試合中2試合で延長戦を行うなど接戦を繰り広げた末に、6季ぶりの初戦での勝ち点を獲得した法大。今季は先発投手も好投を見せ、打者陣も勝負強さが光る。ただ、一方で細かいミスも目立っ…

東京六大学野球秋季リーグ戦 対明大
神宮球場

前週の早大戦で、3試合中2試合で延長戦を行うなど接戦を繰り広げた末に、6季ぶりの初戦での勝ち点を獲得した法大。今季は先発投手も好投を見せ、打者陣も勝負強さが光る。ただ、一方で細かいミスも目立った3試合だっただけに、まだまだ油断はできない。最大の宿敵である明大との『血の法明戦』を完璧な試合展開で制し、優勝ロードに突き進むべく、満を持して最大の山場を迎える。

先発が予想される明大の森下暢

展望

 2015年秋季リーグ戦以来、丸3年ぶりに開幕カードで勝ち点を奪取。早大との接戦をものにし、良い流れを手中に収めた法大は、『血の法明戦』となる明大との対戦で2カード連続の勝ち点奪取に挑む。 

 昨季、3位に終わった明大は4季ぶりの優勝を目指し今季に臨む。 
 投手陣は侍ジャパン大学日本代表に選出された森下暢仁と、昨季に森下暢と同じ3勝を挙げた伊勢大夢の両3年生右腕が軸となることが予想される。森下暢は小島和哉(早大)に次ぐリーグ2位となる51個の三振を奪っており、大量得点を奪うことはそう簡単ではない。また、伊勢は最速151㌔の直球を武器に、防御率2.64という安定した投球を披露した。昨季の『血の法明戦』は法大の2連勝で終わったが、2戦とも1点差ゲームとなり決して楽な試合ではなかった。好投する先発投手を、いかに早いうちに打ち崩していくかという事が鍵になっていくだろう。早大戦で2本塁打を放ち、チームを引っ張る気迫もみせた中山翔太(人4)や、昨季首位打者となり、ここまでも打撃好調の中村浩人(営4)、現時点でチーム内打率が.500でトップの川口凌(人4)ら経験十分な上級生の打撃に期待がかかる。

共に3試合終了時点で4打点を挙げる中山(上)と川口凌

 打者陣は、昨季打率ランキング6位(.364)に入りブレイクを果たした森下智之や、昨季に続き夏季オープン戦も4番にすわる越智達也、先日プロ志望届を提出した渡辺佳明、逢澤崚介ら手強い面々が名を連ねる。昨季のチーム打率は.295、安打数も129本と、どちらもリーグトップの成績を残した明大に対し、昨季明大1回戦で先発し緩急ある投球で、7回1/3、被安打5、自責点2と好投をみせた高田孝一(法2)は今季も先発が予想される。明大打線の厳しいマークへの対応が求められる。法大はこの高田に加え、早大1回戦では完投勝利でチームに流れを呼び込んだルーキーの三浦銀二(キャ1)が、初戦カードに引き続き先発に予想される。 
 また法大の課題は中継ぎ投手陣の再興だ。早大との3試合のうち2試合で救援に失敗し、延長戦に突入した。終盤に法大のペースを維持するためにも、中継ぎ投手陣には一層の安定感が求められる。現在中継ぎに回り、ラストシーズンでの完全復活を目指す菅野秀哉(キャ4)、昨季から力を付けてきた朝山広憲(法3)、石川達也(キャ2)らが競った場面で明大打線をきっちり0封することを期待したい。 

 昨年の春季リーグ戦から過去3シーズンの明大との対戦成績は、法大が4勝2敗(勝率.667)と明大を上回っている。今回2カード連続で勝ち点を得られれば悲願の優勝に近づくが、全く油断はできない。1試合1試合をトーナメント戦のように「絶対に負けられない試合」と捉え、勝ち進み、最後に歓喜の瞬間を味わいたい。
(岡崎祐平)