開催まで40日を切ったリオデジャネイロ五輪だが、このところ出場辞退のニュースが相次いでいる。特に多いのがゴルフ界からの辞退表明だ。1904年に開催されたセントルイス五輪以来、実に112年ぶりの復活で注目されるゴルフ競技。だが100年以上の時…

開催まで40日を切ったリオデジャネイロ五輪だが、このところ出場辞退のニュースが相次いでいる。特に多いのがゴルフ界からの辞退表明だ。

1904年に開催されたセントルイス五輪以来、実に112年ぶりの復活で注目されるゴルフ競技。だが100年以上の時を経ての復活は、選手たちにとって意義深いものではないようだ。

2013年にマスターズを制したアダム・スコットは、「オリンピックよりもメジャータイトルの獲得を優先したい」という理由で辞退。日程がタイトな時期にオリンピックが組み込まれるのは負担だと主張した。

今シーズンの初めに「オリンピックの金メダルより、メジャータイトルのほうが重要だ」と話していたロリー・マキロイも出場を辞退。こちらはジカ熱への懸念が理由と説明している。

スコットの発言に世界ランク1位のジェイソン・デイは、「僕らゴルファーにとって重要な試合はメジャーがある。僕らのキャリアは何度メジャーで優勝したか、ツアーで何勝したか。だからオリンピックに出ない選手を責められない」と理解を示した。そして、デイ自身も「妻が妊娠しており、ジカ熱は潜在的なリスクになる。難しい決断だが家族を優先した」と出場を辞退している。

ジカ熱への不安が根強いことについて大会組織委員会は、「アスリートたちがここでジカ熱に感染する可能性はごくわずかだ」と安全を主張する。

「リオ五輪でのあらゆる問題を回避するため、ほかにも方策を取っている。あとは選手たちの選択だ。残念ながら彼らの考えは変えられないが、我々にできることはリオは五輪開催の準備ができていると改めて強調することだけだ」

大会組織委員会は公式サイトに、「8月は現地の冬場でウィルスを媒介する蚊が少ない」ことを理由に、リオ五輪は安全だとする声明を発表している。またWHO(世界保健機関)は、「慎重にリスクを検討した結果、今回の五輪は予定通り開催されるべき」との見解を示している。

「感染拡大は2年前から起こっており、ウィルスはすでに移動しているとの報告がある。60ヶ国以上でこのウィルスの感染が確認されている。ほかにも多くの国で帰国した旅行者からウィルスが検出されている。ジカの伝染レベルが比較的低くなる時期に特定の地域への50万人の人の移動を禁止しても、このウィルスの国際的な移動に大きな違いを生むわけではない」

リオ五輪の金メダル(c)Getty Images

リオ五輪の金メダル(c)Getty Images