法大3回戦                計

法 大   000 000 040 01 5

早 大   020 001 001 00 4

(早)小島、西垣、早川、●今西-岸本
◇(本塁打)檜村1号2ラン(三塁打)瀧澤(二塁打)檜村

 11回表、2死走者なし。4番手・今西拓弥(スポ2=広島・広陵)が法大の1番・宇草孔基(3年)へ投じた2球目、変化球が甘く浮いた。振り抜かれた打球は右翼席中段へ。歓喜に沸き返る法大ナインとは対象的に、今西はマウンドで立ち尽くし、打球方向を見つめた。まさに痛恨の一発。手の届きそうだった勝ち点は、無情にも法大に渡った。

 先発マウンドを託されたのは、もちろんエース小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)だ。1、2回戦と本調子とはいかず失点を重ねていた小島。この日も初回から走者を背負うが、落ち着いて要所を締め、得点を与えない。試合が動いたのは2回裏。先頭の岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)が右前打で出塁する。ここで後続が2者連続三振に打ち取られ不穏な空気が流れたが、それを一蹴したのは2回戦で決勝打を放った檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)だった。狙っていた内角の直球をうまくさばくと、ライナー性の打球は左翼ポールを直撃。1回戦で完投勝利を許した先発・三浦銀二(1年)から、価値ある2点を先制した。その後は走者を出しながらもゼロに抑えられていたが、6回裏、三浦から代わった2番手・高田孝一(2年)の出ばなをくじく。先頭の瀧澤虎太朗(スポ2=山梨学院)の打球は、右翼手の頭上を越す三塁打に。続く4番・加藤雅樹(社3=東京・早実)の打球は浅い左飛となったが、三塁走者の瀧澤がスタートを切る。際どいタイミングではあったが、ヘッドスライディングで間一髪、セーフの判定。貴重な追加点を挙げ、勝ち点獲得は近付いたように思われた。

2回に先制の2点本塁打を放った檜村

 小島は毎回のように出塁を許しながらも、なんとか無失点で切り抜ける。ところが、勝利も見えてきた8回表。1死後、1番・宇草に中前打を許すと、次打者には死球を与え1死一、二塁とピンチを招く。続く3番・向山基生主将(4年)は一飛に抑えたが、4番・中山翔太(4年)、5番・中村浩人(4年)に連続で適時打を許してしまう。1点差まで迫られ、なおも2死二、三塁のピンチの場面。早大ベンチの選択は、小島の続投、そして好調の6番・川口凌(4年)との勝負だった。小島の投じた126球目。真ん中高めに浮いた直球をフルスイングされ、ふらふらと上がった打球は二塁手と右翼手の間に落ちた。二人の走者が生還し、この回4失点。「なんとか1点で食い止めなくちゃいけなかった」(小島)。まさかの逆転を許し、小島はマウンドを降りた。

8回に4失点を喫し、リードを守り切れなかった小島

 エースの乱調に、暗い雰囲気が漂うベンチ。しかし、今季の早大はこれでは終わらない。小島の後を継いだ投手陣がゼロに抑え、迎えた9回裏。1死後、代打・黒岩駿副将(スポ4=長野日大)が中前打で出塁に成功する。持ち味の足で好機を広げたいところだったが、盗塁に失敗してしまい、2死走者なしと追い込まれた。しかし、代打・田口喜将(商3=東京・早実)が四球で出塁すると、代走・山野聖起(法3=岡山・金光学園)が盗塁と捕手の悪送球で三進。ここでまたもチームを救ったのは、檜村だった。振り抜いた打球は左中間フェンス直撃の適時二塁打に。「真っすぐで押してきていたので、タイミングを合わせて力を抜くことを意識した」(檜村)と、自然体の打撃が功を奏した。土壇場で追い付き、試合は2日連続の延長戦へ。互いに先頭打者を出しながらも得点に結び付けられずに10回の攻撃を終え、迎えた11回表。危なげなく2死を取ったものの、宇草による値千金の一発が生まれてしまった。11回裏、法大のマウンドに上がったのは菅野秀哉(4年)。2回戦では攻め立てた相手だったが、この日は変化球が冴えていた。2死と追い込まれ、打席に立ったのはこの日4安打の檜村。ベンチの期待が募ったが、最後は外角低めのスライダーにバットが空を切った。

決勝の本塁打を浴び、肩を落とす今西

 勝てたはずの試合だった。それだけにダメージはとてつもなく大きい。8回表の攻防には「継投をミスした」と髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)。絶対的な信頼を置く小島だからこそ、1点差に迫られてもなお続投を命じた自らの采配を悔やんだ。また流れをつかみながらも決め切れない場面も多くあった。例えば9回裏。同点に追い付き、なおも2死一、三塁と好機が続いたが、あと一本が出なかった。10回裏には、浅い左邪飛の際に一塁走者が二塁を狙うもアウトになり、好機をつぶしてしまった。「勝ち切れなかったのが悔しい」(檜村)。春と比べ、試合運びやチーム状態が改善されているだけに、詰めの甘さが悔やまれる一戦だった。ただ、まだ戦いは始まったばかり。目標とする優勝への道が閉ざされたわけではない。次戦は空き週を挟んで、天敵・田中誠也(3年)を擁する立大とのカードだ。小島の復調と、好機を確実にものにする打線の勝負強さがカギとなってくるだろう。悔やんでも悔やみ切れない開幕週から立て直しを図れるか。今こそ早大の真価が問われる。

(記事 吉田優、写真 村田華乃、金澤麻由)