新井由可と申します。現役時代は体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。連載3回目の今回も体…

 新井由可と申します。現役時代は体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。連載3回目の今回も体操女子のパワハラ騒動について綴らせて頂きます。

 

 

 日本体操協会の塚原光男副会長、塚原千恵子強化本部長が騒動の渦中に立たされています。この問題を連日取り上げているテレビ番組を見て危惧するのは、体操関係者のコメントです。実体験したことならば問題解決に役立つかもしれませんが、「~と聞いています」と伝聞ばかりで、更に感情論が非常に多いように感じています。立場の違いによって多様な意見が存在するのは当然ですが、現在は不確定な伝聞情報が事実として独り歩きし、偏った情報が氾濫して善悪二元論で語られているように感じます。事実関係の判断は第三者員会の調査に委ねられています。体操関係者あるいは私のような元体操関係者は、冷静、且つ、誠実に言葉を発することこそ未来の体操界のためになるのではないでしょうか。

 朝日生命体操クラブの選手だった私にもテレビ局からたくさんの出演依頼を頂きました。連載記事を読んで下さったメディア関係者の方々に興味を持って頂くことは大変ありがたいです。ただ、まだ第三者員会の調査結果も出ていません。現場の指導者、選手たちのことを考えると、更なる混乱を招くことを避けたいという思いが強くあり、じっくりと言葉を選びながら発信できる方法を選択させていただいております。

・合わせて読みたい→
朝日生命体操クラブの教え子が語る 塚原千恵子本部長の「実像」とは(http://cocokara-next.com/motivation/yuka-arai-serialization-02/)

 

 また、この一件で私が一番心配しているのは現役の体操選手たちです。来月にカタールで開催される、東京オリンピックの出場権をかけた「世界体操2018」が控えている中、代表選手たちは練習に集中するのが困難な状況になっています。私自身の話になりますが、現役時代は1年で休みは1日のみ。毎日5、6時間は練習をし、良い食事、良質な睡眠、そして、いかに良い精神状態で試合に臨むかなど、私の頭の中は24時間体操のことでいっぱいでした。今の選手たちも体操にかける強い想いに変わりはないと思います。選手寿命は本当に限られた時間しかありません。「選手ファースト」で競技に集中できる環境作りは非常に重要です。体操を応援して下さるファンのみなさまの声援があって選手は頑張れます。私にできることは微力ですが、選手たちの手助けや体操協会の発展に少しでもお役に立てればと思っております。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]

※コラムの問い合わせはアスリート・マーケティング株式会社まで

新井 由可(あらい・ゆか)

1977年3月21日、東京都生まれの41歳。
9歳で器械体操を始める。13歳の時に朝日生命体操クラブへ。すぐに全日本選手権大会で個人総合7位入賞を果たし、高2年時にインターハイで個人総合2位に。同年にドルトムント世界選手権に出場し、段違い平行棒の降り技で新技D難度の「ARAI」が誕生。技に自分の名前を持つのは日本女子体操史上3人目の快挙だった。18歳で異種目のクレー射撃へ転向。日本代表で活躍し、02年の釜山アジア大会では団体で銅メダルを獲得。現在は異色の経験を活かし、トップアスリートの人生を応援する「トップアスリート・コンシェルジュ」、パーソナルトレーナーやスポーツコメンテーターなど幅広く活動している。