2019年母国スペインの大会を最後に、引退の意向を発表したダビド・フェレール(スペイン)。そしてグランドスラムは今回の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)を最後とする事も明らかにしていた。そのフェレ…

2019年母国スペインの大会を最後に、引退の意向を発表したダビド・フェレール(スペイン)。そしてグランドスラムは今回の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)を最後とする事も明らかにしていた。

そのフェレールは大会初日男子シングルス1回戦で、第1シードである同胞ラファエル・ナダル(スペイン)との運命的とも言える対戦を終えた。残念ながら第2セット4-3の時点で棄権となったが、脚を痛めながらもラリーでナダルにエースを決める姿、第2セットを1ブレーク差でリードする姿には胸を熱くさせるものがあった。

そんな姿をトップ選手も観ていたようで、ロジャー・フェデラー(スイス)はフェレールの試合後自身のTwitterに投稿。「世界中を飛び回った戦士を、この上なく尊敬」と、短くも想いのこもったコメントをした。

まさしく『ウォリアー(戦士)』と呼ぶに相応しいプレースタイルのフェレール。試合前には「私は勝ちたいし、そのつもりでラファと対戦する。なぜならそれが私という人間であり、そういう血が流れているからだ。私は引退の扉をノックしているが、戦うことなく敗れるつもりはない」と闘志を燃やしていた。

フェレールにも試合後特別にコート上でインタビューが行われた。「全米オープンにはいい思い出がたくさんある。実はこれが最後のグランドスラムなんです」と話すと、会場からは惜しみない拍手が。その歓声にフェレールは笑みをこぼしながら、少しだけ涙をこらえているようにも見えた。

ATP公式サイトによると、試合後の記者会見でフェレールは「最後のグランドスラムをセンターコートで、ラファエル・ナダルと終えられた事はスペシャルなことだ。なぜなら彼はとても良い友達だからね。最後まで試合ができなかった事は残念だけど、問題はない。私はラッキーな男です」と語った。

同胞として国別対抗戦「デビスカップ」の決勝を共に戦い、グランドスラムの決勝でも対戦してきた盟友ナダルは、最大級の表現でフェレールの決断を惜しんだ。「とても、とても残念です。彼はツアーの中で最も親しい親友の一人、私たちは素晴らしい時間を一緒に過ごしました。そして彼はスペインで最も偉大な選手の一人です」

フェレールは2019年母国スペインの大会で、地元ファンの目の前で現役最後を迎える意向だ。あと彼のプレーが観られるのもそう多くはないと思うと非常に寂しくもあるが、最後のプレーまで目を離さないようにしたい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」試合後に抱き合うナダル(右)とフェレール(左)

(AP Photo/Julio Cortez)