イギリス・ロンドンで行われている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の2日目。 前日に3人が2回戦に駒を進め、いいスタートを切った日本勢。28日は、ともにウィンブルドン初出場のダニエル太郎(エイブル)と日比野菜緒(…
イギリス・ロンドンで行われている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の2日目。
前日に3人が2回戦に駒を進め、いいスタートを切った日本勢。28日は、ともにウィンブルドン初出場のダニエル太郎(エイブル)と日比野菜緒(フリー)がそれぞれ元トップ10プレーヤーに挑んだ。しかしダニエルは4年前に世界10位だったフアン・モナコ(アルゼンチン)に5-7 6-4 3-6 2-6で敗退。日比野の相手は約5年前に9位だったアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)だが、この試合は降雨のため中断されている。スコアは日比野から6-3 5-7 1-5で、中断中のゲームは日比野の40-15。日比野にはもうあとがない。
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セット数で2-1とされてもまだ逆転の見込みは十分あった。落としたセットはいずれも紙一重で、第4セットも2-2までシーソーゲーム。しかし第5ゲーム、30-0から突然ダニエルのプレーが精彩を欠いた。ダブルフォールト2つをおかし、ブレークを許す。原因はスタミナ切れかと思いきや、「お腹が痛くなっちゃって…。あのときはトイレに行きたいばっかりだった」。
すぐ次のゲームで0-40とブレークバックのチャンスをもらったが、生かせなかった。第5ゲームが終わってトレーナーを呼んだが、次のチェンジエンドでトレーナーが到着したときはすでに2-5になっていた。錠剤を口にしたが、モナコのサービング・フォー・ザ・マッチはラブゲーム。効き目が表れる前に試合は終わった。
体調管理に課題を残した今大会。「試合前に飲んだり食べたりするものは考えないと」と苦笑いしたが、クレーコート育ちのダニエルには苦手と思われた芝で元トップ10を相手に互角に戦えた手応えは収穫だ。その好感触は1年後に持ち越しかもしれないが、どのサーフェスでも苦手意識なく戦えるという自信は夏のハードコートで必ず生きるだろう。
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日比野のグランドスラム初勝利まであと2ポイントだった。それも相手は、全仏オープンでのベスト4など実績のある元世界9位だ。
しかし序盤、ペトコビッチにかつての勢いはなく、ファーストサービスの確率も50%を切っていた。日比野はネットに果敢に出るスタイルと、両サイドのライン際を狙うストロークでチャンスを生かし、両者ワンブレークの3-3から日比野が3ゲームを連取。大事な第1セットを奪った。
日比野奈緒
第2セットは第5ゲームでブレークを許したが、第8ゲームでブレークバック。ペトコビッチのアンフォーストエラーが目立ち、ここは勝負どころだった。第10ゲーム、サービスの調子が上がらないペトコビッチにとってここをキープしなければ負けるという状況はプレッシャーがかかったはずだ。デュースまで粘った日比野。しかしそこからの2ポイントはペトコビッチの勝負強さが光った。
逆に日比野は続く自分のサービスゲームを落とし、このセットはペトコビッチの7-5。こうなると、チャレンジャーのほうには苦しい。それにしても最終セットの第1ゲームが悔やまれる。40-0からキープできず、ずるずると4ゲームを失い、その後1-5で迎えた日比野のサービスゲーム、40-15という場面で降雨のため中断となった。
再開は翌日。もう一度流れを変えられるだろうか。たとえ微かなチャンスでも、勝負は最後の1ポイントまでわからない。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)