来年のワールドカップで日本代表と同組に入る欧州チャンピオン(現 世界ランキング2位)のアイルランド代表が、オーストラリアに遠征しての6月テストマッチシリーズを2勝1敗で制した。 ブリスベンでおこなわれた初戦はホームチームのオーストラリア代…

 来年のワールドカップで日本代表と同組に入る欧州チャンピオン(現 世界ランキング2位)のアイルランド代表が、オーストラリアに遠征しての6月テストマッチシリーズを2勝1敗で制した。
 ブリスベンでおこなわれた初戦はホームチームのオーストラリア代表(同4位)が競り勝ち、アイルランドのテストマッチ連勝記録は12で止まったが、メルボルンでの第2戦でリベンジすると、23日にシドニーでの最終戦を20-16で制し、1979年のツアー以来、39年ぶりにオーストラリア遠征テストシリーズ勝ち越しとなった。

 アリアンツ・スタジアム満員の4万4085人(同会場の最多観客記録)が興奮した、最高峰のテストマッチとなった。

 前半から激しい戦いとなり、両チームとも30分までにイエローカードを1枚ずつ、どちらも背番号7が負傷して交代を余儀なくされた。主将のマイケル・フーパーを失ったオーストラリアは、NO8デイヴィッド・ポーコックがチームをけん引することとなる。

 前半は互いにPGで得点し、アイルランドが12-9とリードして折り返した。

 アイルランドは後半の入りもよく、43分(後半3分)、ラインアウトからモールで押し込みファーストトライを挙げる。

 グリーンジャージーの堅い守りに対し、オーストラリアは13フェイズを重ねた54分、SOバーナード・フォーリーがディフェンス裏にキックでボールを転がし、拾ったWTBマリカ・コロインベテが力強いレッグドライブでゴールライン上に押さえ、コンバージョン成功で1点差に詰めた。

 HOトル・ラトゥなどの強烈なタックルでさらに活気づいたオーストラリアは、敵陣でプレーする時間が長くなり、66分に逆転のPGチャンスを得たが、フォーリーが失敗。

 その後も両チーム譲らぬ激しい攻防がグラウンドの中盤あたりで続き、78分、オーストラリアが自陣で反則を犯し、アイルランドのSOジョニー・セクストンがPGを決めて3点を追加、20-16となった。

 残り時間1分となり、オーストラリアはリスタートのキックオフボールをFBイズラエル・フォラウが確保し、チーム一体となって10フェイズを重ね、敵陣深くに入る。だが、フルタイムを報せるサイレンが鳴ったあと、ゴール間近で右へ展開したがパスがつながらず、ボールはタッチラインの外へ。SOフォーリーのラストパスを、アイルランドのWTBジェイコブ・ストックデールが触ったのではないかとTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)確認がおこなわれたが、明らかにノックオンがあったとは認められず、直後、天国と地獄を分ける試合終了の笛が鳴った。