6月のツアーをここまで1勝1敗としている日本代表は23日、愛知・豊田スタジアムでジョージア代表戦をおこなう。この月最後となるテストマッチに向け、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは置かれた状況をシリアスに捉えていた。

 組織は生き物だ。16日に兵庫・ノエビアスタジアム神戸でのイタリア代表戦を22-25で落とすと、チームは練習日程の大幅な変更を発表した。従来は特に規制のなかったトレーニング後の選手のメディア対応も1日2名までとなるなど、繊細さが見え隠れした。週の前半から先発が濃厚と見られていたWTBの山田章仁は、「勝つだけです」とした。

 メンバーは21日に発表された。3戦連続でスターターに入ったFLのリーチ マイケルは「ジョージア代表は、いままで戦ったなかで一番フィジカルが強い。ありえない!」と笑いつつ、泰然自若としていた。「いい準備をしている。何をするかは皆、わかっている」。今回のツアーで初めて先発を飾るFLの布巻峻介、CTBの立川理道への信頼をこう口にする。

「新しいメンバーはチャンスをもらって、エナジーを出すと思います。布巻、ハルにとっては重要なテストマッチです」

 前回の試合から入れ替わったスタメンはこのツアー初出場となる山田、布巻、立川を含めて7名だ。

 そのうちの1人であるLOの真壁伸弥も、6月のテストマッチ初陣を飾る格好。「きょうはあまり、おもしろいことは言えません。(代表戦は)久しぶりなので、緊張しますよ」。世界ランクは日本代表の11位に対し、ジョージア代表は12位だ。日本代表がグラウンドの左右幅を使って攻めるかたわら、ライバルはスクラム、モール、密集戦でフィジカリティを前面に押し出す。身長192センチ、体重126キロの真壁は、静かに決意を明かす。

「スクラム、モールが相手の強み。そこをしっかりと止めればBKのサインプレーなども活きてくる。自分の仕事をしたいです。スクラムでは(LOは)重さを(前方へ)伝える。そういうエンジンの役割を託されたので、しっかりとドライブします」

 対するミルトン・ヘイグ ヘッドコーチは、「日本代表は常に早いゲームを展開したいのだと思う。選手はそのスタイルに対し、自信や安心感を覚えてプレーしているのではないか」と見る。

「スーパーラグビー参戦(日本代表を支えるサンウルブズの存在)が彼らにいい影響を及ぼしています」

 日本代表が豊田市内で活動するのに対し、ジョージア代表は名古屋市内に滞在。22日には試合前日練習の場所を急遽、本番の舞台となる豊田スタジアムからパロマ瑞穂ラグビー場に変更させた。指揮官は「バスで片道1時間の移動をする価値を感じなかったから」と理由を説明する。

「これまで数日間、練習をしてきて、きょうすることは簡単な組織の確認だけ。そのためにバスに…ということはしなくてもよいと思いました。次の試合は、お互いにワールドカップ(2019年の日本大会)への準備に活用したいと思っているはず。日本代表はセットピース(スクラムなど)を強化したいし、我々はもっとボールを使えるようになりたい。それらが、ワールドカップでの成功のために強化したいエリアだと思われます」

 当日の戦い方については「もちろんFWの強みを使いながら、ボールを動かしていきたい。ティア1(強豪国)と相対するには、その(スタイルを変える)壁を乗り越えなくてはいけない」。パワープレー一辺倒とならない意志も表明した。互いのプレー選択に注目が集まる。(文:向 風見也)