九州産業大が、東洋大・上茶谷大河投手(4年・京都学園)と梅津晃大投手(4年・仙台育英)の両ドラフト候補右腕から14安打10得点を奪い10対3で7回コールド勝ち。2年連続の準々決勝進出を果たした。2打席連続本塁打で試合を決めた横田翼本塁打後、…

九州産業大が、東洋大・上茶谷大河投手(4年・京都学園)と梅津晃大投手(4年・仙台育英)の両ドラフト候補右腕から14安打10得点を奪い10対3で7回コールド勝ち。2年連続の準々決勝進出を果たした。

2打席連続本塁打で試合を決めた横田翼

本塁打後、チームメートと会心のハイタッチをする横田

「ビックリですよ。もうビックリ」
 試合後に九産大の大久保哲也監督は信じられないといった表情で繰り返した。東洋大の先発は東都大学野球リーグで1試合20奪三振を記録するなど6勝を挙げ最高殊勲選手を獲得した上茶谷。
 だがリーグ最終節の3試合連続先発の疲れがあったのか、序盤から思うような球が行かない上茶谷に対し、マシン打撃での練習やバットを短く持つことで速球対策を万全に行ってきた九産大打線は次々と安打を放ち、2回3分の1を投げて7安打6失点で上茶谷をノックアウトした。
 2番手には身長187cmの本格派右腕の梅津が登板したが、それでも九産大打線は止まらない。9番・横田翼外野手(4年・大牟田)が梅津の変化球を叩きつけ、これが一塁手の頭を超えて、さらに2点を追加。続く栁内一輝外野手(3年・九州学院)にも2点適時打が飛び出し、3回までに7点を奪って試合の主導権を握った。
 さらに九産大は、横田が5回にもソロ本塁打、7回にも2ラン本塁打を放って10対3のコールド勝ち。「ロースコアの勝負になると予想していた」という大久保監督の期待を遥かに超える大勝となった。

 4打数3安打5打点2本塁打の大活躍となった横田はリーグ戦打率.227と苦しんでいたが、同期のドラフト候補・岩城駿也内野手(4年・東海大五)から「トップの位置を動かさずに打ってみれば」とアドバイスをもらったところ、スイングに無駄がなくなり打ち損じが減ったのだという。
 もともと強肩や俊足で身体能力の高さを感じさせていた横田の猛打は、「全国ベスト4以上の成績を残す」ことを目標としてきたチームのさらなる起爆剤となっていきそうだ。

テンポ良い投球で1回戦に続き試合を作った岩田

★2回戦・東洋大vs九州産業大
東洋大 0001020=3
九産大 0340102x=10
(7回コールド)
【洋】●上茶谷、梅津-佐藤
【産】○岩田-揚村
本塁打:九産大・横田《5回ソロ、7回2ラン》、東洋大・酒巻《6回2ラン》

◎九州産業大・横田翼外野手
「(2本塁打とも)当たった瞬間フワッとした感覚でした。連続本塁打は公式戦で初めてです。変化球は捨てて、ストレートに対してバットを短く持ってシャープに振ることを心がけました。関東の強いチームに勝てて嬉しいです」

◎東洋大・杉本泰彦監督
「(上茶谷のリーグ戦終わってからの不調は)無かったんですけどね。今日は体調が良くなかったのかな?という気がしなくもないですけれど、昨日は調子が良かったんです。緊張するような選手じゃないんですけど、難しいところですね。力が入らないかなという感じがしていたので、梅津に代えました。梅津は最後にああなりましたけど、あれは打者が凄かったです」

まさかの3回途中降板となった上茶谷。後を継いだ梅津も九産大の勢いを止めることはできなかった

文=高木遊
写真=中西陽香