昨年準優勝の国際武道大が辰己涼介外野手(4年・社)を擁する立命館大を下し、初戦突破。準々決勝に駒を進めた。この日は先発の平川裕太投手(4年・東海大浦安)の出来が素晴らしかった。左打者のインコースを強気に攻める投球で5つの見逃しを含む11奪三…

昨年準優勝の国際武道大が辰己涼介外野手(4年・社)を擁する立命館大を下し、初戦突破。準々決勝に駒を進めた。

この日は先発の平川裕太投手(4年・東海大浦安)の出来が素晴らしかった。左打者のインコースを強気に攻める投球で5つの見逃しを含む11奪三振。スプリットも冴え渡り、立命館大打線をわずか2安打に抑える見事な投球で完封勝利を収めた。

なかなか打線の援護に恵まれなかったが「3巡目から取ってくれる」と打線を信頼していた平川。その言葉通り、3巡目に入った7回裏に女房役の鮎ヶ瀬一也捕手(2年・作新学院)の適時打などで2点を先制する。リードを貰った後も「後半は疲れましたが、丁寧に投げられました」(平川)と最後まで立命館大に反撃の糸口すら掴ませなかった。

昨年は守護神として準優勝に貢献した平川は今年から先発に転向。同じく準優勝に貢献したエースの伊藤将司投手(4年・横浜)が故障で出遅れたが、「伊藤が離脱して選手権に出られなくなったと思われたくなかった」と奮起し、リーグ戦では5戦5勝の活躍。この試合でも“エース”としての働きを存分に果たした。

“エース”の投球で立命館大を2安打完封に抑えた平川(2枚目は写真右端)

 

立命館大は坂本裕哉投手(3年・福岡大大濠)が9奪三振の好投を見せるも打線の援護がなく、7回に力尽きた。頼りの辰己も「頭に血が上っていた」と4打数無安打。本来の打棒を発揮できずに選手権を去ることとなった。

プロ注目の辰己は4打数無安打と力を出し切れなかった

★2回戦・国際武道大vs立命館大
立命館 000000000=0
国武大 00000020X=2
【立】●坂本、有村、小橋-大本
【国】○平川-鮎ヶ瀬

◎国際武道大・平川裕太投手

「最初の試合で勝てて良かったです。三振は狙っていたわけではなく、積み重ねた結果です。点がなかなか入りませんでしたが、3巡目から取ってくれると思っていました。今日はスプリットが良かったです。良いバッターほど引き締めて投げました。後半は疲れましたが、丁寧に投げられました」

◎立命館大・後藤昇監督

「打てなかったですね。それが全てです。平川投手は変化球が良くキレていました。坂本はよく投げましたが、100球を超えて勢いがなくなりました。2安打ではどうしようもないですね。辰己が打てなかったら仕方がないです。秋も神宮目指して頑張ります」

◎立命館大・辰己涼介外野手

「チームのためにも自分のためにも勝ちたかったです。応援に来てくれたチームメイトやベンチで声を出してくれた選手に頭が上がらないです。春は本当に日本一を目指していたので申し訳ないですし、自分が腹立たしいです。国際武道大には自分たちの分も勝って行って日本一になってもらって『このチームに負けたならよかったかな』と思えるようになればなと思います」

文・写真=馬場遼