「今では世界中どこに行っても『CHIBA』って言われています。世界中に定着してきた、モータースポーツの世界的都市になったという実感があります。」2017年のワールドチャンピオン、室屋義秀選手がこのように語る千葉県千葉市で、2018年5月26…
2017年のワールドチャンピオン、室屋義秀選手がこのように語る千葉県千葉市で、2018年5月26日、27日の2日間、レッドブル・エアレース千葉2018が行われた。開催4年目となる本年は両日合わせて7万人の観客が訪れ、空を舞う飛行機の激戦に酔いしれた。
また、会場ではさまざまなサイドアクトや体験イベントが行われた。
レッドブル・エアレース千葉2018の勝者は、前第2戦のカンヌでも優勝を収めたマット・ホール。ワールドチャンピオンとして凱旋帰国を果たし、前人未到の母国3連覇が期待された日本の室屋義秀は、バーティカルターンでオーバーG(※)を喫し、失格となった。
※オーバーG:レース中にパイロットにかかるG(最大重力加速度)の規定を超えてしまうこと。最大で11Gとなっている。なにもせず地上に立っている状態が1G。
室屋義秀選手コメント(抜粋)
「このレースは残念な結果ではありましたけれど、昨年も全8レース中の2戦を完全に落として、それでチャンピオンを獲っています。残り5戦をきっちり獲っていけばいいと思っています。
ポイント差は若干開きましたけれど、ワールドチャンピオンシップのランキングとしてはまだ3位に留まっています。悲観するようなポイント差ではないので、冷静に考えれば、いい位置につけているのは間違いありません。
今日の失敗から学ぶことはとても多いので、これを生かして、残りの5戦をさらに強く戦えるように準備していきます。
日本の皆さんは千葉の応援が終わると(レッドブル・エアレースが)終わっちゃったような感じになるんですけど、まだまだ続きますので。最後まで応援いただければ、力になります。」
レッドブル・エアレース千葉2018決勝結果
1位:マット・ホール
2位:マイケル・グーリアン
3位:マルティン・ソンカ
優勝:マット・ホール選手コメント(抜粋)
「今日この日本の地で優勝出来てとても嬉しいよ。日本が大好きなんだ。だから、僕にとって(日本で勝つということは)とても特別なことなんだ。
ヨシ(室屋義秀)選手は2017年のチャンピオンで、ここ千葉の地でも2回も優勝している。彼と戦うことは、僕にとって、とても大きな挑戦だった。
でも実際にフライトするときには、対戦相手がヨシだということは意識しないで、とにかく早く飛ぼうと思った。そうすれば彼に勝てるか、ファステストルーザー(※)として次に行くことができると思ったんだ。
僕の中ではヨシと2人でラウンドオブ8に進むつもりでいて、彼にも「2人で次に進もう!」と言ったんだ。ヨシがDNF(※)になってしまったのは本当に残念だよ。
※ファステストルーザー:fastest looser.決勝の第一戦目、ラウンドオブ14は一対一のマッチメイクで、タイムの早いものが勝ち上がる。7つの対戦での勝者と、敗者のうちタイムの一番早い選手の8名が、決勝の第2戦ラウンドオブ8を戦う。
※DNF:途中棄権。DID NOT FINISHの略。失格の一つ。レース中に12Gの制限を超えた場合、スタートゲート時の規定スピードを超えた場合、コースから外れた場合、3回のパイロンヒットがあった場合に適用される。
千葉戦終了時点でのワールドチャンピオンシップは、マット・ホールとマイケル・グーリアンが同36ポイントで並んでいる。つづいて室屋義秀とマルティン・ソンカも同ポイントで並ぶ。その下にマティアス・ドルダラーとミカエル・ブラジョーも同ポイントで並ぶという、今後の戦いから目の離せないものとなった。
次戦は6月23日、ハンガリーのブタペストで行われる。千葉戦は海の上で行われたが、ブタペスト戦はドナウ川の上で行われる。美しい街並みの間を背景に、高速の飛行機が橋の下をくぐるレースは必見だ。
開催概要
名称:Red Bull Air Race Chiba 2018(レッドブル・エアレース千葉2018)
日程:5月26日(土)予選、5月27日(日)決勝
レースエリア:千葉県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)
滑走路:浦安市総合公園(浦安市明海)
内容:国際航空連盟(FAI)公認の飛行機レース世界選手権、全8戦の第3戦。世界トップクラスのレースパイロット14名が参加
主催:レッドブル・エアレース・ジャパン実行委員会
(グッドスマイルカンパニー、ぴあ、エアレース・ジャパン)
特別後援:千葉市、浦安市
後援:オーストリア大使館、千葉県、朝日新聞社、TOKYO FM、InterFM897、bayfm、レッドブル・エアレース千葉後援会
ナショナルパートナー:FALKEN、AVIREX、LEXUS、JTB、EST GROUP
グローバルパートナー:Hamilton、DHL、air bp、RAUCH
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ
世界最高の飛行技術を持つレースパイロットたちが、最高時速370km、最大重力加速度12Gの中、操縦技術の正確さ、知力、体力、そして精神力の限りを尽くしてタイムを競う FAI(国際航空連盟) が公認する究極の三次元モータースポーツです。
高速で、機動性に優れたレース専用飛行機を使用し、1機ずつペナルティを回避しながら高さ25mの空気で膨らませたパイロン(エアゲート)で構成する低空の空中コースを周回して飛行タイムを競います。
2003年に第 1 回大会を開催し、2005年より世界選手権としてスタート。2010年まで毎年開催し、2011年から3年の休止後、安全面やルールをさらに向上させて2014年に再開、2017年に室屋義秀がアジア人初ワールドチャンピオンに。2018年で11シーズン目を迎えます。
大会スケジュール
2月2日(金)、3日(土) アブダビ(アラブ首長国連邦)
4月21日(土)、22日(日) カンヌ(フランス)
5月26日(土)、27日(日) 千葉
6月23日(土)、24日(日) ブダペスト(ハンガリー)
8月25日(土)、26日(日) カザン(ロシア)
9月 日程と開催地は後日発表
10月6日(土)、7日(日) インディアナポリス(米国)
11月 日程と開催地は後日発表