初勝利をかけて臨んだ今日の試合。小池智也(営1)がスタメン入りを果たすなど前試合から打線を大きく変更した。それが功を奏したのか、打線がつながり16安打17得点と大量リード。 投手陣も、先発の菅野秀哉(キャ4)が7回1失点と流れを作り、2番手…

初勝利をかけて臨んだ今日の試合。小池智也(営1)がスタメン入りを果たすなど前試合から打線を大きく変更した。それが功を奏したのか、打線がつながり16安打17得点と大量リード。
投手陣も、先発の菅野秀哉(キャ4)が7回1失点と流れを作り、2番手の森田駿哉(営4)も1年春以来の登板で5奪三振と復活を印象付ける投球。待望の1勝を手にした。

戦評

5試合終えて未だ白星ゼロ。悪夢のような4月が終わり、心機一転白星を積み重ねていきたい5月の法大。対戦相手の東大には昨季、東大史上89年ぶりとなるカード連敗での勝ち点を献上した苦い記憶が鮮明に残る。雪辱を果たすため、チームに新しい風を吹かすため、選手たちはチーム一丸となって試合に臨んだ。

東大の先発は、勝ち星は無いがこれまで好投を続けている小林大雅。試合は早速、法大ペースとなった。1回表、2死から主将・向山基生(営4)が二塁打で出塁すると、4番・中山翔太(人4)が外角の球を上手く捕らえ、右翼線へ今季初となる適時三塁打を放つ。続く福田光輝(人3)も右前へ連続となる適時三塁打を放ち2点を先制する。

法大の先発はエース・菅野秀哉(キャ4)。直球とカーブを織り交ぜた緩急のある投球で東大打線を寄せ付けない。「今の自分の球では三振を取るのも難しいと思う」と自身の投球を省み、コースに投げ込むことでゴロアウトを量産することに成功した。

4回までは両先発ともに安定した投球を見せ、再び試合が動いたのは5回表。相手の失策や四球が重なり、1死一、二塁の好機で打席は先制打を放った中山。小林大の真ん中に入った変化球を逃すことなく左中間に運ぶ2点適時二塁打。その後も安本竜二(営3)が右中間へ2点適時三塁打、代打出場の清水俊作(文3)が左翼へ適時打を放ち、この回5点を追加。7-0と東大を突き放す。清水俊は初安打、初打点を記録した。

これで止まらない今日の法大打線。6回は相手の失策が重なりわずか2安打で一挙5得点を追加し12-0。前カードまでの不振へうっぷんを晴らすかのような猛打で東大を圧倒した。 完全に流れが法大ペースとなった7回表。2死二塁の場面でここまで三塁打、二塁打、単打と猛打賞を記録していた中山が打席へ。ここで本塁打が出ればサイクル安打となるが、中山は記録に関して「何も知らなかったのでただ単に安打を打とうと思って打席に入った」と言う。3番手投手・濱﨑貴介の2球目、高めの直球を完璧に捕らえ、打球は左翼の外野席へと吸い込まれた。

今季初本塁打となる2ランは、六大学リーグ史上8人目、平成では2人目となるサイクル安打達成となる一撃となった。中山は「(勝利の)おまけかな」と淡々と振り返ったが、「チームの期待にようやく応えられたので良かったです」と笑顔で振り返った。この本塁打を含め5連打を放った法大はこの時点で東大を17-0と突き放した。

7回を投げて86球、1失点という安定した内容で東大打線を封じた菅野に代わり、マウンドには森田駿哉(営4)が上がる。6季ぶりの神宮凱旋に法大応援席からはひと際大きな声援が送られた。その声援に後押しされ8回は三者連続で見逃しの三振に抑える。回またぎとなった9回は2四死球を許したが、2つの三振を奪いしっかりとゼロに抑え復活の投球を見せる。終わってみれば17-1で法大が1回戦をものにした。

菅野の今季初勝利、中山の快挙達成、森田の復活登板と、明るいニュースが多く舞い込んできた今日の試合。投打が上手く噛み合い、チームは今季初勝利という大きな白星をもぎ取った。気持ちを新たに、今季初の勝ち点奪取へ。法大戦士の戦いは続く。

(岡﨑祐平)

クローズアップ:森田駿哉 投手
ついにこの男が神宮のマウンドに帰ってきた。大量リードで迎えた8回裏、投手交代でアナウンスされたのは3年ぶりのリーグ戦登板となる森田駿哉(営4)の名前だ。

同期の菅野秀哉(キャ4)の後を託された場面。「すごく嬉しかった」と語った三塁側スタンドからの大きな歓声を力に、巻き返しを図る東大打線をその左腕で封じ込めていく。先頭の1番辻居新平を見逃し三振で切ると、続く2番、3番打者も見逃し三振。テンポの良くこの回を3人で抑え、続く9回も先頭打者を空振り三振に。これで4者連続三振となった。その後四球と死球をそれぞれ与えたものの最後は遊ゴロに打ち取り試合終了。持ち味である直球が冴え、見事な投球を見せた。

春のオープン戦では甘い球を仕留められ初回から本塁打を浴びるなど不安要素を残していた森田。修正すべき点は何なのか、自ら問い、見つめ直してきた。そしてそれが結果となって現れ、復活を待ちわびたファンの期待にも応えた。しかし、登板を終えて真っ先に振り返ったのは5つの三振を奪ったことよりも無駄な四死球を与えてしまったこと。この登板はゴールではないのだ。さらなる高みを目指す背番号21が今日を皮切りに、再スタートを切る。

(渡辺詩織)

 

向山 基生 主将
ー今日の試合を振り返って

先制して追加点という、理想の形じゃないですけど、東大は接戦になると難しい相手なので突き放せたことは一番良いことだと思います。

ー先週は何に取り組んだ
技術的な事で詰めていく部分もあったんですけど、やはり応援してくださっている方々への礼や態度、そういった面からしっかりやっていこうということで、私生活の部分から色々と見直していきました。

ー技術的な部分では
練習の一つ一つの質をさらに高めるという所ですね。負けてからもう一段回締まったような練習になっています。

ー主将として選手に声掛けなどは
選手ミーティングなどもたくさん積み重ねて、応援してくれている人もいるのでしっかりとここから立て直そうという話をしました。

ー試合前には何を意識した
礼儀の事じゃないですけど、そういう細かいところからしっかりとやって、技術的なことに関してはなるべく先制点を取って追加点を意識しました。

ー3四球でした
あまり自分が打とう、打とうとせずにつなげるという気持ちがこういう結果になったので、3つの四球は価値があるのではと思います。

ー中山選手がサイクルヒットを達成しましたが
自分たちも試合が終わるまであまり気づかなかったんですけど、ああいう場面で本塁打を打てるのはすごいと思います。

ー待望の初勝利になりました
もちろん嬉しい気持ちも、ホッとしてる気持ちもあるんですが、2連勝して勝ち点とるまで気を緩められないのでしっかり明日も戦おうと思います。

ー明日に向けて
明日勝って絶対に連勝したいと思います。

菅野 秀哉 投手
ー今日の試合を振り返って

とりあえず1勝できて本当に良かったなと思います。

ー今季初勝利となりました
チーム的にも1勝できてみんなホッとしてると思いますし、自分自身もやっとゲームを作れたなというのがあったのでホッとしています。まだまだ自分自身の投球ではないと思うのでもっと気を引き締めてやっていけたらなと思います。

ー結果が出ていなかった中で空き週に取り組んだことは
チーム全体でメンタル的なことをもう1回見直そうということで、細かいプレーなどを確認して何が足りないのかなどを突き詰めていました。(メンタル的なこととは)グラウンドでは歩かないでしっかりダッシュをするであったりとか、寮生活もしっかり見つめ直していこうということをやっていました。

ー東大打線を相手にどういう投球をしようと思っていた
初回真っ直ぐで押していったときにタイミングが合っていなかったので、真っ直ぐとカーブで緩急をつけていければ良いのかなと思いました。

ー打たせて取る投球のように思いました
今の自分の球じゃ三振取るのも難しいと思うので。しっかりコースに丁寧に投げて抑えていければ良いなと思っていたので、結果ゴロアウトが多かったので良かったのかなと思います。

ー1点取られた後は変化球多めの配球の印象でした
自分がちょっと疲れていてストレートも抜けていたので、浩人(中村、営4)が自分を思って変化球を多めにしてくれたのではないかなと思っています。

ー打線も16安打17得点と大きな援護がありました
法政の打線ならばそのくらい取ってくれると思っていたので。自分は楽に投げられたので良かったです。

ー森田選手も復活登板となりましたが、同期としてその投球をどう見ていた
森田は、ケガの時期が長かったんですけど、人一倍、チーム1練習してると思うので、今日しっかり投げられたことは良かったなと思います。

ー勝ち点奪取を目指す明日へ向けて
今日勝って安心するのではなくて、明日しっかり勝って2連勝して。しっかり勝ってから喜びたいなと思います。

小林 満平 内野手
ー大勝となった今日の試合を振り返って

初回に2点を先制できたことが一番大きかったです。チームで2週間東大から勝ち点を取るために、より一致団結してやってきたんですけど、それが成果となったので良かったです。

ー7回に代打で打席に立ったときの気持ちは
次につなげるという気持ちが一番でした。カウントも打者有利の場面だったので、『しっかり振っていこう』と思って終始打席に立ちました。

ー1打数1安打2打点の活躍。今季やっと初安打が生まれました
こんなに安打1本打つのに苦労すると思っていなかったです。神宮で2年生の春に打ったリーグ戦初安打と同じくらい嬉しいです。

ー今日の試合前に思っていたことは
今日は1年生がスタメンだったので、途中から自分や4年生の力で助けられればと思って準備はしていたので良かったです。

ー今日は右翼に小池智也(営1)選手がスタメン出場。刺激になった
悔しいので。1年生が出場することは良いことですけど、まだまだ定位置を奪われないようにもっとしっかり練習します。

ー不調の要因は
状態は全然悪くなかったです。(打てなかったのは)結果を欲しがったことが一番の原因で、調子は悪くなかったです。

ーこの2週間特に練習してきたことは
青木(久典)監督に2回ほど特打をやっていただきました。内容は詳しくは言えないんですけど、そこで指導されたことを打席でやろうと思って打席に立ちました。

ー試合後のミーティングで話したことは
チームとしてやってきたことを評価された部分とまだまだ足りない部分をたくさん指摘していただきました。明日までに改善できるようにしたいです。

ーその課題とは
自分たちの試合の展開に持ち込むことが5試合できていなかったことです。相手どうこうではなく、自分たちの流れに持ち込むことが大事だと思います。

ー明日に向けて
明日勝ってからだと思うので、明日の初回から全員で全力で挑めるように準備していきます。

中山 翔太 内野手
ー連敗が続いているチームでしたが、試合前の意気込みは

足元を見つめ直して、やれることをみんなで100%やっていこうということを考えていました。

ー1打席目は先制の適時三塁打となりました
なんとか先制点がほしかったので、打てて良かったです。

ー三塁まで激走を見せましたが、どんな気持ちで走りましたか
とりあえず1つでも前に行けるように、絶対にセーフになるように走っていました。

ー3打席目は二塁打、4打席目は単打を放ちましたが打撃を振り返って
リラックスできていて、とても良かったと思います。

ーその時点でサイクル安打達成に向けて本塁打が残っていましたが、意識していたことは
いや、何も知らなくて。ただ単に安打を打とうと思ったら本塁打になって良かったです。

ー打った球種、感触は
真っ直ぐの球で、打った瞬間にいったなと思いました。

ー今季初の本塁打になりました
チームの皆の期待にようやく応えられたので良かったです。

ーサイクル安打は平成に入って2人目の記録となりました
(記録は)おまけかなと思います。今日の勝利が一番嬉しいです。

ーチームは大量得点で今季初勝利を収めました
足元を見つめ直せてプレーできたのが良かったので、これをしっかり継続して続けていきたいと思います。

ー明日へ意気込みを
絶対に勝ちます。

森田 駿哉 投手
ー3年ぶりの神宮登板でしたが

雰囲気などはやっぱり久々だったので、結構点差は開いていたんですけど、思ったよりは緊張せずに投げられたかなと思います。

ーファンの歓声も大きかった
声はすごく聞こえたので嬉しかったですし、その期待に応えたいなという思いがあったので最低限のことができたのではないかなと思います。

ーいつ登板を伝えられた
試合中に今日(登板が)あるかもしれないと言われていて。出番があったので良かったです。

ー5奪三振の好投を見せた
三振というよりも、2つフォアボールを与えてしまっているので、そこをしっかり修正しないといけないかなと思います。

ー登板にあたり意識したことは
ストライク先行で悪いカウントを作らないようにというのは意識しました。

ー監督や助監督からは
真木(将樹)さんからは「しっかり振ってこい」という風に言われました。

ーオープン戦からここまでどのように立て直してきたか
オープン戦は良くない方が多かったので、もう1回一から見直して、それはしっかり結果となって出てるので、もっと高いレベルで完成できるようにやっていきたいです。

ー今季は下級生投手の活躍が目立ちます
下級生に負けないピッチングをして、勝ちに貢献できればいいかなと思います。

ー今後先発で投げていきたい気持ちは
それはいつもあるので、しっかりアピールできれば良いかなと思います。

ー次回登板に向けて
次回はもっと高い結果が求められると思うので、しっかりそれに応えられるようにやっていきたいと思います。

安本 竜二 内野手
ー今日の試合を振り返って

チームが勝てた事が本当に嬉しかったと思いますし、明日また勝たなきゃいけないと思うので、今は明日に向けて切り替えていきます。

ー今日の調子は
1打席目に安打が出て、その勢いのままいけたと思います。

ー初戦以来のスタメンでしたが
初戦で打てなくて、その後も試合になかなか出れなくてベンチも外された事もあったので、そういった意味では今日は1打席ずつが勝負になると思っていました。なので、その1打席目に結果を出せて、その後も安打を記録できたので良かったです。

ー初戦後変えたことは
特にないです。これまでも神宮で打つためにやって来たので変わらずやる事をやってきました。

ー3打席目に三塁打を打ちました
チャンスの場面だったので、打点を取りたいと考えていました。2人走者を返せて1番良い形になったかなと思います。

ー今日は4安打の活躍でしたが
結果的に4本打つ事ができただけだと思うので、今日をしっかりと振り返ってまた明日も活躍できるように準備していきたいと思います。

ー試合後ミーティングで監督さんからは
全体として、今日みたいな試合ができるからそれをしっかり続けて、また明日しっかり勝ってからまた次の事を考えるようにという様なお話をして頂きました。

ー明日に向けて
今日勝ってもまだみんなホッとしてないし、明日勝って、勝ち点を取ってやっとホッとできるくらいだと思うので、全員で明日勝利を取りたいと思います。

先発として今季初勝利を挙げた菅野
安打や四球で出塁ししっかりつないだ向山
犠打を確実に決め2番打者としての役割を果たした川口凌
4安打4打点と活躍を見せた安本
サイクルヒットを決め、6打点を挙げた中山
本塁打を放ち中村浩とハイタッチする中山
久々の安打に「大学初安打と同じくらい嬉しかった」と語った小林
約3年ぶりの復帰登板となった森田