<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>世界卓球2018 男子 決勝の結果6日、世界卓球(団体)の男子決勝が行われ、中国がドイツを3-0のストレートで破り優勝した。中国男子は予選ブロック5試合、決勝トーナメン…

<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>

世界卓球2018 男子 決勝の結果

6日、世界卓球(団体)の男子決勝が行われ、中国がドイツを3-0のストレートで破り優勝した。

中国男子は予選ブロック5試合、決勝トーナメント3試合の計8試合とも誰一人負けることなく3-0のストレートで勝利。24連勝という圧巻の強さを見せつけ9連覇を飾った。

決勝の対戦カードとスコアは以下の通り。

世界卓球2018男子団体決勝戦:中国 3-0 ドイツ

馬龍 3-0 ティモ・ボル

<スコア>
11-4/11-8/11-3

男子決勝の1番は、今までビックゲームで死闘を繰り広げてきた馬龍(中国・4月度世界ランク6位)とティモ・ボル(同2位)の対戦。ボルは2017年10月の男子ワールドカップで馬龍と林高遠(中国・同5位)を破っている。

ワールドカップでは大接戦となったこのカード。1ゲーム目はボルが得意とするやや下がっての回転量の多いドライブを中心にゲームを組み立てるが、馬龍はそれを前陣で厳しくカウンター。あっという間に1ゲーム目を制す。

2ゲーム目はボルがバックハンドで得点を重ねてリードを奪うも、馬龍は台に張り付き、早い打点でカウンター。ボルはこれに追いつくことができず、2ゲーム目を落とす。そしてそのまま悪い流れを断ち切れず、ボルはストレート負けを喫した。

樊振東 3-0 フィルス

<スコア>
11-4/11-5/11-4

ケガで不調のエース・オフチャロフ(同3位)に代わり、2番を任されたのはカットマンのフィルス。対するは世界ランク1位の21歳、樊振東。

樊振東は世界最速とも言える強烈なフォアハンドを武器に、容赦無くフィルスのカットを打ち込んでいき、1ゲーム目は樊振東が圧倒。

2ゲーム目はフィルスの積極的な攻撃が光り、途中までシーソーゲームを繰り広げる。しかしながら中盤から樊振東のフォアドライブが厳しいコースに決まり始め、フィルスをそのまま封じ込めた。

3ゲーム目は樊振東が5-3とリードしたところでドイツがたまらずタイムアウトを取る。しかしその後もフィルスは樊振東の豪速ドライブの前に力負け。試合は完全に中国ペースで、勝負は3番へ。

許シン※ 3-1 フランチスカ

※シンは日ヘンに斤

<スコア>
9-11/12-10/11-7/11-5

1ゲーム目は許シンにミスが相次ぎ、フランチスカが先制。

2ゲーム目、フランチスカの調子が更に上がってくる。1ゲーム目を落としてやや弱気になり、打点を落として返球する許シンの繋ぎのドライブをカウンターで狙い、リードを奪う。

フランチスカがストレートにチャンスボールを打ち抜き、2-6となったところで中国ベンチがタイムアウトを取ろうとする。

だがなんと許シンはそれを拒否し、ゲームを続行した。そこからスイッチが入った許シンは4点連取で6-8まで追い上げる。

この場面でドイツがたまらずタイムアウトを取る。しかしここは許シンが決して流れを渡さなかった。台から離れてのラリーが安定し始め、”cloud walker”(雲を歩けるくらい軽快で高速なフットワークを持つことから。)の異名の通り、そのフットワークを活かしたパワー卓球を展開し始める。

許シンは10-10とデュースまで持ち込み、第2ゲームの接戦をものにすると、その後の第3、第4ゲームを連続で取り、優勝を決めた。

優勝後のインタビューで許シンは、1ゲーム目を取られ、リードされた展開から逆転出来た理由を問われ「自分が負けてもチームメイトが勝ってくれる。そう思い、開き直って、思いきってプレー出来た。」と冷静に答えた。

優勝を決めても興奮や笑顔を見せることなく、淡々とインタビューに答える許キンから、『優勝が当たり前』となっている中国の強さが垣間見えた。

文:ラリーズ編集部
写真:ロイター/アフロ
*写真は世界卓球2018で決勝点をあげた許シン(中国)