今年も短期登録選手が参戦する。女子は4月22日に来日、翌23日に記者会見が行われ、5月から全国でレースに参加する。今回の出場選手は5人で、これは過去最高の人数になる。


さて、気になるメンバーだが、注目はなんと言っても今年の世界選手権(オランダ・アペルドールン)ケイリンで優勝したニッキー・デグレンデル(ベルギー)だろう。昨年の世界選手権(香港)でもケイリンで銅メダルに輝いている。21歳と若く、キュートな笑顔は日本でも爆発的な人気が出るかも知れない。

ビジュアルならばマルチド・グロ(フランス)も注目だ。とても18歳(*1)とは思えない妖艶さを漂わせている。実力はと言うと、まだまだ世界のトップには及ばないが、ノビシロは1番あるだろう。
この2人が初参戦になるが、残り3人は昨年と同じだ。2016年リオデジャネイロ五輪チームスプリント銅メダルのステファニー・モートン(オーストラリア)。2010年バンクーバー五輪スピードスケート1,000mで銅メダルを獲得し、自転車に転向したロリーヌ・ファンリーセン(オランダ)。そして、ナターシャ・ハンセン(ニュージーランド)。
モートンは昨年、16走で1着15回、優勝4回と、圧倒的な強さを見せつけた。今年の世界選手権スプリントでは銀メダルを獲得しており、デグレンデルとの対戦は今から楽しみだ。昨年、優勝2回のファンリーセン、優勝はなかったものの安定感抜群のハンセンと、実力でもビジュアルでも申し分ない5人となる。

五輪・世界選手権のメダリストを観られる絶好の機会がこの短期登録制度であるのだが、現時点での斡旋を聞いて落胆してしまった。そう、ミッドナイトへの斡旋が多いのだ。
旬のデグレンデルの初戦は5月4日初日の西武園ミッドナイト。ハンセンにいたっては西武園、青森と2場所続けてのミッドナイトへの斡旋となっている。
ミッドナイト競輪が悪い訳ではない。しかし、来日した世界レベルの女王たちの姿をいきなり観ることができないとはいかがなものか?
ハンセンが日本のファンの前に姿を現すのは5月21日からの岐阜、これではわざわざ呼んだ意味がないのではないかと思ってしまう。女子の外国人選手に限って言えば、多くのファンに世界レベルの走りと美しさを観てもらうことだ。それなのにミッドナイト開催の斡旋とは、理解に苦しんでしまう。それならわざわざ大仰に記者会見など開く必要はなかろう。来日しているのに、ライブでその走りが観られないのは不思議でならない。筆者と同じように嘆く競輪ファンも多くいることだろう。
開催日程が先に決まっている現状は分かる。それでも、わざわざミッドナイトに組み入れることはないのではないか。2020年東京五輪を控え、五輪・世界選手権のメダリストの走りを、観てもらうのが最重要だと考える。
テレビやネット画面を通じて走っているだけのデグレンデルは観たくない。デグレンデル自身もまさか無観客でのレースとは思っていないだろう。世界チャンピオンがミッドナイトを走り、何を感じるのか?そして、母国に帰って何を語るのか?



写真左からファンリーセン・ハンセン・モートン・デグレンデル・グロ

彼女たちにはアスリートとしてのプライドがあり、決してギャンブルの駒とは考えていない。それなのにミッドナイトへの斡旋では彼女たちのプライドを傷つけることになってしまう。
関係者は今、改めて考え直して欲しい。なぜ短期登録制度を作って、世界トップレベルの選手を走らせるのか。売り上げと共に、2020年東京五輪へのアピールの意味合いもあるのだから。

(*1)4月27日が誕生日で19歳に

Text/Norikazu Iwai

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