【連載】保坂典子のAmerican Cheer Life Vol.2

こんにちは!私が住んでいるアメリカ、カリフォルニア州ではもう夏!と言えるほど毎日が快晴でとても気持ちが良い気候です!日本はというと梅雨に入る頃でしょうか?

NFLチアリーダーにとってこの時期は全オーディションもほぼ終わり、2016年も沢山の日本人NFLチアリーダーが誕生しました。どんなシーズンを彼女達が過ごすのかと思うと、引退した私も楽しみです。

さて、みなさんに良く聞かれるのが『いったいNFLチアリーダーのオーディションはどんなものなのか?』という質問です!

私はワシントンレッドスキンズとオークランドレイダースの2チームに所属していたのですが、今回はレッドスキンズチアリーダーのオーディションの内容がどのようなものかお伝えしたいと思います。

今年はレッドスキンズ初の2人の日本人チアリーダーを同時採用しています。今までに私を含める4人の日本人チアリーダーは英語でコミュニケーションを不自由なくとれる程度の英語が話せ、それがチームに受かる必須条件とも言えます。チームの求めているチアリーダー像は『First Lady of Football』。洗練されていて、自立しているエレガントでセクシーな女性というイメージです。

第一次審査は10人程の審査員の前で、8×4(=8ビートの曲に合わせた32カウント分)程度のランダムにかかる曲に合わせて、受験者5人程度が同時に自分で考えた振りを踊ります。この時点で300〜400名ぐらいの受験者がおよそ半分にカットされます。衣装はビキニの生地を少し厚くした感じのものです。

体のラインを全く隠せないので、鍛えるのは必須です!

第二次審査はチームから8×4のダンスを40分ほどかけて習います。直後にジャッジの前でその振りを踊ります。ダンスの内容は、どのチームも時代に関わらず、ダブルターンとハイキックは盛り込まれています。レッドスキンズの場合、これにジャズとヒップホップテイスト混ぜたダンスです。

二次審査終了時点で人数は100名程に絞られます。

第三次審査は第二次審査で習った振りをクリーンに踊るために全員でもう一度習い直します。この第三次審査からベテランも審査の対象に入り、一気に緊張感が高まります。

三次審査の結果によってファイナルラウンドに進めるメンバーが決まります。人数は二次審査で残ったメンバー+ベテラン(大体毎年25〜30名)計70名程です。

ファイナルラウンドに進むと、新しく3つのルーティンを習い、一週間ほぼ毎日、夜7時位から練習があります。

ファイナルはパブリック公開で一つのエンターテイメントとして観客の皆様にレッドスキンズチアリーダーを知って頂くイベントになっています。

受験者たちには当日間近まで当日何を踊るのか知らされません。ですから3つのルーティンをくまなく練習しなければなりません。また、ダンスだけではなく、水着を着用のカメラ審査やビデオ審査、またまたカクテルドレス審査などもあるので日本人にとっては少し気恥ずかしい内容が盛りだくさんです。

これは実際に体験した私の主観になりますが、合否に一番関係しているのは、ファイナルラウンド当日の演技云々ではなく、この一週間の練習自体なのでは? と、感じています。

毎日の練習はすべてジャッジが見ています。どうやって自分の課題に取り組み、チームメイトとやり取りするのかを評価されているように感じていました。

受験者は当然、毎日フルヘアメイクアップで、自分の最高の状態であるように取り組み、メンタル的にもフィジカル的にもとても疲れる一週間です。

晴れてファイナルラウンド当日。

ドレスを着てのオープニングダンス、習ったルーティンの発表、水着を着てフットボールを持って練り歩きます。

観客の皆様の盛大な応援を受けて、受験者たちは最後の力を振り絞って演技します。

合格者の発表は3時間半のファイナルランドが終わった直後に、その場で行われます。

受験者たちは控室でその瞬間を待ちます。番号が呼ばれた合格者は螺旋階段を登って再び舞台に登場します。

残念ながら番号が呼ばれなかった者は、そのまま控え室から会場を後にします。

この日まで一緒に頑張ってきた友人が受からなかったり、今までチームメンバーとしてやってきたベテランが受からなかったり…。歓喜と非情が狭い空間の中で混在する、ドラマの連続です。

NFLチアリーダーがどんな過程を経て選抜されているのか、お分かりいただけたでしょうか??

サイドラインに毎回立っている私たちを見て、親近感も持てて頂けたり、興味をもっていただけたら幸いです!

では、雨にも負けずスマイルで6月を乗り切りましょう!

Noriko Hosaka

獨協大学卒業後、Xリーグチアリーダーを経て2008年に渡米。NFLワシントンレッドスキンズ、米国室内プロフットAFLサンノゼセイバーキャッツ、NFLオークランド・レイダースと米国で計6年間、チアリーダーとして活動。現在はNFLを目指すチアリーダー向けのワークショップを開催するなど、後進の指導にあたっている。サンフランシスコ在住