3季ぶりの“奪還”を狙う明大が9対2で東大に勝利してリーグ戦白星発進を決めた。
 試合前、今年1月に亡くなった明大野球部OBの星野仙一氏(享年70)の追悼セレモニーが実施され、「絶対に負けられないゲームだった」と吉田有輝主将(4年・履正社)。明大ナインは左肩に喪章を付けて必勝態勢で臨んだ。

 

試合前に星野仙一氏の追悼セレモニーが行われた

 

迎えた1回表、東大の1番・辻居新平(3年・栄光学園)がレフトスタンドへ先頭打者アーチを放ち、東大が1点を先制するよもやの展開も、明大打線がすぐさま反撃。その裏、1番・吉田、2番・佐野悠太(4年・広陵)の連打から1死2、3塁として、4番・逢澤崚介(4年・関西)の犠牲フライで同点。2対2の同点で迎えた3回裏には、平塚大賀(4年・春日部共栄)、氷見泰介(4年・豊川)、森下暢仁(3年・大分商)の下位打線による連続タイムリーで一挙5点を奪って突き放した。
 先発の森下暢は、初回先頭打者弾に「やってしまったな、と。立ち上がりが良くなかったし、その後もコントロールが良くなかった」と反省の弁も、自己最速を更新する151キロのストレートを武器に「ストライクゾーンで空振りを獲れるようになった」と要所では自身の成長を実感しながら三振を奪い、6回を92球、4安打2失点、7奪三振の好投。昨秋は右肩の疲労で1試合のみの登板に終わったが、「投げたくてウズウズしていた。その分、この春は結果を出したい」との言葉通りの初戦登板での白星発進。「(星野氏は)明大のエースとしての大先輩。気持ちの強さをもっと見習っていかないといけない」と自覚も覗かせた。

 

6回4安打2失点で今季1勝目を挙げた明大・森下暢

 

 最終的に計14安打で9得点を奪って勝利した明大。新戦力である竹田祐(1年・履正社)、磯村峻平(1年・中京大中京)の1年生コンビも、2人とも1イニングを無安打無失点の上々デビュー。OB星野氏の「闘将魂」とともに、明大が16年秋以来の優勝へ向けて上々のスタートを切った。

■東京大vs明治大1回戦
東京大 101 000 000=2
明治大 115 020 00X=9
【東】●宮本、有坂、小林、濵﨑-三鍋
【明】〇森下暢、竹田、磯村、長江-氷見、篠原
本塁打:東京大・辻居《1回ソロ》

◎明治大・善波達也監督
「(森下暢は)同じバッター(辻居)に3本打たれたので、好投というよりもそこはしっかりしてくれよという感じです。もっと精度を高めて、次の登板に向かってもらいたい。今日は竹田、磯村の1年生も投げさせて、いいデビューになった。彼らの持ち味は神宮でも出せた。それが今日の一番良かったところですね。(星野仙一氏について)島岡(吉郎)さんがやってきた人間力野球を、星野さん流にアレンジしてやっていたと思う。厳しくもあり、優しくもあり、私が言うのもあれですが、素晴らしい指導者でした。(今日のセレモニーで)明治らしく戦っていかないといけないと、気持ちを新たにしました」

◎明治大・吉田有輝主将(4年・履正社)
「(初戦勝利に)素直にうれしい。明治の伝統である粘りと、今年やろうとしている、繋いで繋いでという野球ができた。今日は追悼セレモニーもあって、今季の初戦でもあって、絶対に負けられないゲームだったので、とりあえず勝てて良かった。また明日、今日よりもいいゲームができるようにしたい」

◎明治大・土井淳OB会長
「(星野仙一氏の追悼セレモニーについて)このようなセレモニーは初めての試み。開催することができ、東京六大学の連盟のみなさまに感謝したい。星野君はこれからやりたいこともたくさんあったはずですが、人生を全うしたという満足感もあったと思います。今日、スタンドに来られた全員が拍手をされていた。それが星野君の人柄を表していると思います。明治の後輩、東京六大学の後輩たちが、彼の生き様、最後までやり抜くという精神野球を継承してもらいたい」