2005年、オール・イングランド・クラブで決勝を戦う前日、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)はグランドスラム委員会の会合で、男女の選手の賞金を同額にするよう「ウィンブルドン」と「全仏オープン」に要求した。「『私達の心臓はみな同じように鼓動を…

2005年、オール・イングランド・クラブで決勝を戦う前日、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)はグランドスラム委員会の会合で、男女の選手の賞金を同額にするよう「ウィンブルドン」と「全仏オープン」に要求した。

「『私達の心臓はみな同じように鼓動を打っています。目を閉じれば、隣にいるのが男性なのか女性なのかわかりません』と言ったんです。自分の娘や妻や妹を思ってくださいと (お願いしました)。その人達を、どう扱ってほしいですか」とビーナスは回想し、「私達は自分自身の偏見や差別意識を忘れ、そもそも自覚していないことがあります。自分と向き合う必要があるんです」とも話した。

ビーナスと妹のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はこのほど、あらゆる職業における男女同一賃金の推進を提唱するビリー・ジーン・キング・リーダーシップ・イニシアティブ (BJKLI) に参画し、諮問機関に名前を加えることになる。

キング氏は電話インタビューで「特にビーナスは、メジャー大会の賞金を同額にすることに力になってくれました。彼女は素晴らしい働きをしてくれました。『ウィンブルドン』に大きな一歩を踏み出させてくれました」と語った。

さらに、「ビーナスはステップアップしようとする勇気を常に持っています。セレナもそうです。セレナは考えを率直に口にすることを恐れません」と言う。

ビーナスは「私達は昔からビリーに感服していました。彼女のことが大好きです。女子テニス界の中だけでなく、誰の人権であろうと一般社会で人権を守ることにおいて、とてつもない実績を持っている人です」と話す。

また、「ビリーは『これからは私はゆっくり自分の人生を楽しむわ』と言ってもいい年齢なのに、まだほかの人のために一生懸命働いています。このことは誰にとっても最高のお手本です。不平等が存在する限り、この地上における私達の仕事に終わりはありません」ともビーナスは話している。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真はウイリアムズ姉妹とビリー・ジーン・キング

(AP Photo/Stephen Chernin)