レスター・シティの岡崎慎司が3月31日に行なわれたブライトン戦で先発した。 ポジションは4-2-3-1のトップ下で…

 レスター・シティの岡崎慎司が3月31日に行なわれたブライトン戦で先発した。

 ポジションは4-2-3-1のトップ下で、今節も最前線のFWジェイミー・バーディーと中盤をつなぐリンクプレーをこなした。しかし、チームが一向に機能しない。ブライトンが最終ラインを深い位置に設定したため、バーディーの”縦抜け”ができない。しかも、サイドバックがほとんど上がらなかったように、徹底的にスペースも潰してきた。そのため、ドリブル突破が得意なMFリヤド・マフレズの個人技も活きなかった。



招集されなかった日本代表戦を見た岡崎慎司の感想は?

 チャンスの糸口さえ掴めないレスターのなかで、岡崎も苦しんだ。なかなかいい形でボールを受けられず、時間だけが経過していく。しびれを切らしたクロード・ピュエル監督は、後半に入って交代策に動く。岡崎との交代でドリブラーのFWフセニ・ディアバテを投入――。岡崎のプレミアリーグ第32節は56分で終了した。

 レスターは試合終盤に2点を奪って勝利したものの、試合後、岡崎は反省の言葉を口にした。

「みんな疲れもあったのかなという感じだったし、厳しい試合でした。今日は相手もよかった。けっこう、しっかり守られていたんで。カウンターになっても、相手がしっかり残っていた。

(自分としては)ゴールを目指す前に、チームの勝利につながるようなプレーをしないといけない。そういう意味では、どちらも(ゴール&勝利に貢献するプレー)物足りなかったと思う。チームを勝利に導くには、ちょっとほど遠いプレーだった。ただ、『もっとできるな』という感じはありました」

 このブライトン戦の前には各国で国際マッチが行なわれ、日本代表はマリ代表、ウクライナ代表との強化試合を消化した。今回の代表戦で招集を受けなかった岡崎も、日本代表の試合をチェックしていたという。「代表に選ばれていない人間なので、僕が何か(意見)を言うことはない」と前置きしたうえで、次のように話した。

「日本代表戦? 見てました。『自分にもチャンスはあるんじゃないかな』と思う。僕だったら、『何かしらの助けになれる』と思いながら見ていました。

(記者:代表の中盤トップ下のポジションは、岡崎選手もハマるのではないか?) まあ、できると思う。でもだからこそ、今やれる場所(レスター)で、今やっていることから結果を出せれば、必ず(代表でも)使われると思うんですけど。

 やっぱり今日の試合もそうですけど、チームが悪ければ、自分もそんなにいいパフォーマンスができないという……。守備でのプレスもハマらない状況だった。チームが低い位置で守備をしたときは、ボールを奪った後、自分のところでボールを収めることが必要で。(それがうまくできなかったから)相手にずっと主導権を握られる状況が続いてしまった……。そういう意味では、(自分のプレーの)クオリティをもっと上げないといけないなと思いました」

 岡崎の考えは、日本代表そのものについても及ぶ。

「ワールドカップは、メンバーに選ばれてから本番まで1ヵ月ある。チームを構築するうえで、そこまでには代表に入らないといけない。とくに今、監督もメディアも、いろんな人が『競争』とあおっている。だから選手としては、今の状況で試合だけに集中するのは難しいと思うんです。普段どおりにはいかないかと。チームになるのが、より難しい環境にある。

 そうであっても、日本代表として、もっとまとまらないといけない。もちろん、最後にW杯に行くメンバーは必ずまとまるものと思っている。ただ、ここまでサバイバルってあおってきたのだったら、監督のやり方として、やっぱり(日本代表の壮行試合となる)5月30日(のガーナ戦)まで、最後の最後までサバイバルになるんじゃないかなと思いますけどね」

 くしくも今回の代表戦の直後には、ピュエル監督が岡崎の代表入りの可能性について言及していた。フランス人監督は「岡崎のW杯行き? まだ終わっていない」と、エールに近い形でコメントを残した。ただ当の岡崎は、自分の置かれている状況を冷静に分析する。

「ピュエル監督も現実主義者なので。やっぱりレスターの勝利のために先発の11人を常に選んでいると思う。自分にW杯があるからといっても、他の選手にもW杯があるわけで。そういう意味では、フェアな戦いのなかに(自分もいる)。ピュエル監督としては、『チームのためにやってくれれば、何でもいい』という感じだと思う。なんでああいうことを言ったのか、監督の意図はわかりますね。

(ピュエル監督は)ハリルさんのことも知っているみたいです。監督として(考えるに、まだ代表入りの可能性は)あるってことなんじゃないかなと。たぶん、そこまで詳しく(ハリルホジッチ監督のことは)知らないと思いますけど。ただ、レスターで自分のプレーがよければ、確実に(W杯メンバーに)入れるっていうこと。僕もそう思っています」

 そこまで言うと、岡崎は「なるようにしかならない」と言わんばかりに言葉をつないだ。

「まあ、レスターでやって、結果を出せば(代表に)行けるし。出せなければ残るという。シンプルに考えてます」

 ハリルホジッチ監督の目指すサッカーと、岡崎のプレースタイルが合わないとの指摘は少なくない。たしかに、最前線の1トップを務める大迫勇也(ケルン)のような、前線でボールをしっかり収める仕事は、岡崎の特性に合わないのかもしれない。

 しかし、レスターでのポジションはトップ下、もしくはセカンドストライカーである。パスコースを限定しながらのチェイシング、クロスボールを点で合わせるシュート技術、エネルギッシュに動き回る運動量の多さ──。

 加えて、サッカーは90分間の戦いである。途中出場であっても岡崎はアクセントをつけられる。岡崎の取材を続ける筆者の目から見ても、背番号20は間違いなく代表の力になるはずだ。その点をハリルホジッチ監督はどう評価しているのか。

 もっと言えば、世界中の猛者が集うプレミアリーグで毎週、屈強なDFとしのぎを削っている。その貴重な経験こそが、国際主要大会で大きな差を生むと思うのだが、はたして……。