アイルランド代表のグランドスラムとなった今年のシックスネーションズだが、それに次ぐ2位で大会を終えたのはウェールズ代表だった。地元カーディフで3月17日、フランス代表に14-13で競り勝ち、3勝2敗(総勝点15)で締めくくった。 前半は1…

 アイルランド代表のグランドスラムとなった今年のシックスネーションズだが、それに次ぐ2位で大会を終えたのはウェールズ代表だった。地元カーディフで3月17日、フランス代表に14-13で競り勝ち、3勝2敗(総勝点15)で締めくくった。

 前半は1トライずつ奪い、14-13で迎えた67分(後半27分)、ウェールズに反則が出て、1点を追うフランスはPGで逆転チャンスだったが、SOフランソワ・トゥラン=デュックのショットはわずかに左へ外れた。
 70分にはフランスのWTBレミ・グロッソが左サイドを駆け上がったが、ウェールズの小柄だが勇敢なFBリー・ハーフペニーがタックルで止め、トライを許さなかった。
 後半は無得点に終わったウェールズだが、主将のLOアラン=ウィン・ジョーンズなどが身体を張り続けてリードを守り、最後はフランスボールのラインアウトをウェールズのFLアーロン・シングラーがスチールし、プリンシパリティ・スタジアムは大歓声に包まれた。

 2勝3敗(総勝点11)で4位に終わったフランスだが、第4節では大会3連覇を狙っていたイングランドを破るなど、ジャック・ブリュネル新ヘッドコーチが率いる体制になってから強豪復活の兆しを見せた。

 来年のワールドカップで日本代表と同組に入るスコットランド代表は、ローマでイタリア代表に29-27で逆転勝ちし、3勝2敗(総勝点13)と勝ち越して3位フィニッシュ。今年6月に日本代表と対戦するため来日するイタリア代表は、ホームでの最終戦で意地を見せたものの、3大会連続で全敗に終わった。

 前半はイタリアがリードした。2点を追う13分にSOトンマーゾ・アランがディフェンスを破ってゴールに持ち込むと、20分にも敵陣深くに入り、アランがディフェンス裏に転がしたボールを俊足のFBマッテオ・ミノッツィがインゴールに押さえ、4試合連続のトライを挙げた。さらに17-12で迎えた44分(後半4分)、この試合で代表初キャップとなった22歳のFLジェイク・ポレドリが自陣からパワフルに突破してSOアランにつなぎ、イタリアのリードは12点に広がった。
 しかしスコットランドは60分、WTBショーン・マイトランドがトライを挙げ、コンバージョン成功で5点差に詰めると、70分にも敵陣深くまで攻め込み、FBスチュアート・ホッグが抜けて同点トライ。SHグレイグ・レイドローがキックで2点を追加し、逆転した。
 75分、スコットランドにノットロールアウェイの反則があり、イタリアのアランがPGを決めてスタディオ・オリンピコは沸いたが、その3分後、今度はイタリアがモールを故意に崩す反則を犯してしまい、レイドローが確実にPGを決め、これが決勝点となった。

 同日にロンドンのトゥイッケナム・スタジアムでおこなわれた試合は、アウェイチームのアイルランド代表が24-15でイングランド代表を下し、全勝優勝を達成した。3連覇を狙っていたイングランドは第3節から3連敗を喫し(今大会:2勝3敗の総勝点10)、35年ぶりとなるチームワーストの5位で大会を終えた。