ATP(男子プロテニス協会)であれ、WTA(女子テニス協会)であれ、ツアーでは多くのテニス選手らが活躍しており、一人ひとりのバックグラウンドも多様だ。今回は、兄弟でコートを駆け回る選手らを見てみよう。■ランキングでも存在感を示す、アレクサン…
ATP(男子プロテニス協会)であれ、WTA(女子テニス協会)であれ、ツアーでは多くのテニス選手らが活躍しており、一人ひとりのバックグラウンドも多様だ。今回は、兄弟でコートを駆け回る選手らを見てみよう。
■ランキングでも存在感を示す、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とミーシャ・ズベレフ(ドイツ)
まずはドイツのズベレフ兄弟。弟のアレクサンダー・ズベレフは、若干20歳にして今やランキング4位(2月12日付)のトップ層だ。昨年は「ATPファイナルズ」に出場するなどランキング上位選手の中でも大きな存在になっており、次世代のNo.1候補筆頭格である。父親は元プロ選手で、10歳年上のミーシャもプロテニスプレーヤーとして活躍している。このようなテニス一家で育ってきたアレクサンダーは、ATPツアーの大会での実績も着実に積んできている。
今年は「全豪オープン」の3回戦でチョン・ヒョン(韓国)との若手対決を見せた。7-5、6(3)-7、6-2、3-6、0-6と惜しくも敗退してしまったものの、昨年は5つのタイトルを取得するなど目立った成績を残した。
また、兄のミーシャも2016年の後半からランキングを上げてきており、今では50位圏内にコンスタントに入ってくる選手になっている。
最新のランキング(2月12日付)で53位となっているものの、2017年の「全豪オープン」では準々決勝に進出(ロジャー・フェデラー(スイス)に1-6、5-7、2-6で敗戦)したほか、「モゼーユ・オープン」では準決勝に進出するなど上位にも顔を出してきている。
兄のミーシャがランキングでどこまで順位を上げていけるのか、また弟のアレクサンダーがグランドスラムのタイトルを獲得できるかなど、今後どれだけの実績を積めるか注目だ。
■ダブルスでは「最強の兄弟ペア」!マイク・ブライアン(アメリカ)とボブ・ブライアン(アメリカ)
双子で活躍し、大きな実績も残しているのがアメリカのブライアン兄弟だ。
ブライアン兄弟のダブルスの実績を見てみよう。まず優勝回数が桁違いに多く、兄弟ペアで114ものタイトルを獲得しており、「名実共に史上最強ダブルス」と評する見方もある。
さらにグランドスラムで合計16回も優勝。「全豪オープン」6回、「全仏オープン」2回、「ウィンブルドン」3回、「全米オープン」5回という圧倒的な実績を持つ。
ちなみに兄弟のダブルスでは、マイクがバックサイドにつき、フォアサイドを務めるのは左利きのボブであることが多い。戦術的にサイドを入れ替えることもあるものの、ネットプレーで攻撃的にプレーする同ペアにとっては基本になっている様子だ。
■ダブルス、シングルスそれぞれでトップレベルのジェイミー・マレー(イギリス)とアンディ・マレー(イギリス)
元世界ランキング1位のアンディ・マレーも兄弟プレーヤーとして知られており、シングルスとダブルスという違いはあるものの2人揃ってトップクラスの実力者だ。
弟のアンディは、一見バタバタと感じるお馴染みのフットワークが特徴的。ボールに追いつく能力が高く、コートのほとんどのボールに触れるのを強みにしており、同選手がランキング1位を獲得した際にもその強みが後押しになった。
アンディは2016年11月に世界ランキングで1位を獲得したものの、怪我のため2017年の「ウィンブルドン」以降はツアーを離脱。オーストラリアで手術を受け、現在は芝のシーズンを目標に復帰を目指すとしている。
一方のジェイミーはアンディの兄として有名になり、ダブルスのスペシャリストで世界屈指の強豪だ。ダブルスプレーヤーとしては技巧派タイプで、パートナーを選ばず実績を挙げている実力者だという。
ジェイミーは2016年にブルーノ・ソアレス(ブラジル)とのペアで「全豪オープン」と「全米オープン」を制覇しており、兄弟揃ってシングルスとダブルスでグランドスラムのタイトルを獲得している。
■女子ツアー最強の姉妹、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
最後に、忘れてはならない女子の姉妹選手も見ておこう。「最強の姉妹」ともいえるビーナスとセレナだ。
セレナは2017年に出産でツアーを離脱していたものの、最近では「フェドカップ」のアメリカチームの一員として出場するなど復帰を果たしている。
ビーナスとセレナのウイリアムズ姉妹の凄さは、実績から明らかだろう。特にグランドスラムのシングルスとダブルスにて、姉妹で44勝もしており圧巻の成績だ。
具体的にシングルスではビーナスが「ウィンブルドン」で5回、「全米オープン」で2回優勝をしており、セレナは「全豪オープン」で7回、「全仏オープン」で3回、「ウィンブルドン」で7回、「全米オープン」で6回の優勝。さらに姉妹でのダブルスではグランドスラム14回の優勝を飾っている。
姉妹揃ってさらに記録を伸ばせるかどうか、今後もしばらく注目されるのは間違いなさそうだ。(テニスデイリー編集部)
※写真は2018年「フェドカップ」でのビーナス(左)とセレナ(右)
(Photo by Richard Shiro/Getty Images)