中日育成の21歳マルティネスが進化、「いつかは日本プロ野球最速のボールを」 中日育成のキューバ代表ライデル・マルティネス…

中日育成の21歳マルティネスが進化、「いつかは日本プロ野球最速のボールを」

 中日育成のキューバ代表ライデル・マルティネス投手が、カリビアンシリーズでチームの守護神として成長を遂げた。今年、日本で2年目のシーズンを迎える若き21歳右腕はキューバ代表にとっても期待の星。1次リーグでは2セーブを挙げ、決勝トーナメント進出に貢献。準決勝ではピンチで逆転を許し、決勝進出を逃す悔しさも味わったが、先につながる大きな経験を手に、今大会を終えた。

「抑えを任され、たくさんの経験をさせてもらったことに感謝している。この大会はとても充実していたし、将来はキューバ代表で先発もできるように頑張りたい」

 190センチの長身から投げ下ろす直球が最大の武器。来日1年目の昨季は2軍で7試合に登板。1勝2敗、防御率5.96と納得いく成績を残すことはできなかった。だが今オフ、キューバの国内リーグでは最速95マイル(約153キロ)を記録。常時150キロ前後の球が投げられるようになると、国際大会での経験豊富なベテラン勢が多い中、国内リーグに続き、カリビアンシリーズでも守護神に抜擢された。

 キューバでは連日、ブルペンで50~60球を投げ込んできたといい「まずは日々練習すること。球も速くなってきているし、いつかは日本プロ野球最速のボールを投げられるようになりたい」と、目を輝かせた。

メジャースカウトもスピードガン、コーチも期待「日本プロ野球は偉大な学校」

 実際、マルティネスの登板時には、ネット裏のメジャースカウト陣がこぞってスピードガンを手にし、球速をチェックし合ったほど。直球に比べ、変化球の精度はまだまだ発展途上だが、スライダーやチェンジアップにも磨きがかかれば、中日で支配下登録される日も決して遠くはない。

 キューバ代表のホセ・エロセギ投手コーチも、マルティネスの将来に大きな期待を寄せる。

「日本であともう1年やればさらにレベルアップできる。練習を重ねて試合でたくさん投げて、コントロールがよくなってくれれば。キューバには将来性のある若手投手がたくさんいるが、彼は体も大きく、才能があってポテンシャルの高い選手。若手の中でも特に大きな期待をしている。

 日本のプロ野球は彼にとって、投手として必要なことをたくさん学ぶことができる偉大な学校だ。昨年、ソフトバンクで結果を残したモイネロのように成長してほしい。まずは中日でファームの試合で経験を積み、成長の証を残せば、1軍で投げるチャンスもあると思う。将来的にはキューバを代表する、世界で通用するような選手になってほしいね」

松坂加入に「本当に中日に入ったの?」「僕も頑張るよ」

 ソフトバンクのモイネロはキューバのピナール・デル・リオでチームメートだった仲間。日本でも頻繁に連絡をとっており、マルティネスにとっても、昨年34試合に登板し、4勝3敗、1セーブ、15ホールド、防御率2.52の成績を残した1歳年上の左腕の存在は大きな刺激になっている。

 キューバではここ数年間で150人を超える選手が国外に亡命したと言われており、五輪などの国際大会で金メダルの常連だったかつての黄金時代と比べて選手層が薄くなっている今、代表の将来を担うマルティネスへの期待はキューバ国内でも大きい。

 今年は松坂が加入し、キャンプも例年以上に注目度の高い中日。マルティネスは「松坂って、あの松坂? 知ってるよ。本当に中日に入ったの?」とおどけながらも、「とてもいい投手だよね。僕も頑張るよ」と、2年目の飛躍を誓った。

 キューバ代表は今日9日(日本時間10日)にメキシコから母国に戻る予定。マルティネスはしばしの休息を経て、キャンプ後半からチームに合流予定で、まずは練習試合やオープン戦で結果を残し、首脳陣にオフの間の成長をアピールする。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)