体は標準的も身体能力は抜群、1987年にはMVP投票で2位に 2018年度のベテランズ委員会によって米国野球殿堂に選出さ…

体は標準的も身体能力は抜群、1987年にはMVP投票で2位に

 2018年度のベテランズ委員会によって米国野球殿堂に選出されたアラン・トランメル氏はデトロイト・タイガース一筋の名遊撃手だった。

 1958年2月カリフォルニア州生まれ。サンディエゴの高校を経て1976年ドラフト2巡目でデトロイト・タイガースに。このときのドラフト同期、5巡目には今年同じベテランズ委員会によって殿堂入りが決まった投手のジャック・モリスがいた。

 183センチ74キロと体のサイズは標準的だったが、身体能力は抜群で、入団翌年の9月にはMLB昇格を果たし、9日のレッドソックス戦のダブルヘッダー第2試合に、「9番・遊撃」で先発。3回の第1打席で、先発レジー・クリーブランドから中前打を放っている。この日、「2番・二塁」で同じくMLBデビューを果たしたルー・ウィテカーとは19年もの長い間、二遊間コンビを組むことになる。

 翌年には正遊撃手となり139試合に出場するが、新人王は僚友ウィテカーが獲得。トランメルは新人王投票で4位だった。1980年にはオールスター初出場。初のゴールドグラブも受賞している。

 トランメルが活躍した時期のタイガースは、名将スパーキー・アンダーソン監督の長期政権時代。一塁ダレル・エバンス、捕手ランス・パリッシュ、外野にチェット・レモン、カーク・ギブソンなどの強打者を擁し、トランメルとウィテカーは守備の要として活躍した。また足も速く、生涯に236盗塁を記録している。

日本でMLB放送では「期待の若手遊撃手、アラン・トラメル」

 当初は打者としては2番または9番が多く、つなぐ打撃が持ち場、犠打もうまかったが、次第に長打力を身に着け、1987年には28本塁打105打点、打率.343(3位)をマーク。MVP投票ではトロント・ブルージェイズのジョージ・ベルに21ポイント差で敗れた。

 以後もリーグを代表する遊撃手として活躍。打撃タイトルはなかったが、ゴールドグラブ賞4回、シルバースラッガー賞3回、オールスター選出6回を数える。

 1984年のサンディエゴ・パドレスとのワールドシリーズでは20打数9安打2本塁打6打点の活躍でMVPに選ばれている。

 MLB20年で2293試合8288打数2365安打185本塁打1003打点236盗塁、打率.285。引退後はコーチを経て2003年から3年間、デトロイト・タイガースの監督を務める。2014年はシーズン途中からアリゾナ・ダイヤモンドバックスの代行監督も務めた。

 引退から5年後の2002年に殿堂入り候補にエントリーされる。毎年得票率を上げたが、期限までに選出されず全米野球記者協会の候補からは外れる。最高得票率は最終年の40.9%だった。しかし、2018年、ベテランズ委員会では16人の委員のうち13票を獲得。合格ラインの12票をクリアして殿堂入りが決まった。

 背番号「3」はタイガースの永久欠番になった。現在のMLBでは極めて少なくなったフランチャイズプレイヤー。2017年のWBCでは、アメリカ代表チームのコーチとして姿を見せた。

 デビュー時期は日本でMLB放送が始まった時期でもあり「期待の若手遊撃手、アラン・トラメル(当時の日本での呼び名)」としてたびたび紹介された。(広尾晃 / Koh Hiroo)