「ダカール ラリー 2018」が現地20日に競技を終了。四輪総合優勝はプジョー「3008DKR Maxi」を駆ったカルロス・サインツで、自身8年ぶり2度目の制覇となった。プジョーは3連覇を達成。2-3位にはトヨタ・ハイラックス勢が入っている…

「ダカール ラリー 2018」が現地20日に競技を終了。四輪総合優勝はプジョー「3008DKR Maxi」を駆ったカルロス・サインツで、自身8年ぶり2度目の制覇となった。プジョーは3連覇を達成。2-3位にはトヨタ・ハイラックス勢が入っている。

南米のペルー、ボリビア、アルゼンチンを舞台に展開されてきた今年のダカール ラリー。現地20日、アルゼンチン・コルドバのループ状の最終行程を走り終えたところで、2週間の長く過酷な旅路に終止符が打たれることとなった(暫定の全体完走率は約55パーセント)。

四輪総合の優勝争いは、後半戦初日にそれまで首位だったステファン・ペテランセルがアクシデントによって後退し、代わって大きなリードとともに首位に立った同じプジョーのサインツがその座を守り続けてフィニッシュを迎えた。1990、92年に世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンとなり、ダカールではフォルクスワーゲン時代の2010年に初優勝しているサインツは、これが8年ぶり2度目の制覇。プジョーは3年連続優勝を飾っている。

スペイン出身のサインツは55歳の大ベテランで、ラリー&ラリーレイド界のレジェンドのひとり。息子のカルロス・サインツJr.は現役F1ドライバーとして活躍中だ。サインツは「自分と、そしてこの勝利に関わった全ての人々にとってハッピーなことだ。大きなリードを得た時というのは、ともするとミスをしがちになって難しい面もあるんだよ。アフリカ開催時代を含めても、自分が経験したなかで最もハードなダカールだったと思う」と、今年のダカール ラリーを振り返っている。

二輪で6回、四輪で7回の総合優勝経験を誇り、3連覇を狙って今回大会に臨んだペテランセルは後半初日に3番手まで下がった後、一時は2位にポジションを上げるなどしたが、終盤に再度の大きなロスを喫って最終結果は4位。プジョーの1-2フィニッシュは成らず、2-3位には「トヨタGAZOOレーシング 南アフリカ」(TGR-SA)のハイラックス勢が入っている。2位にナッサー・アルアティア、3位にジニール・ドゥビリエと、いずれも四輪総合優勝経験のある猛者が続いた。

四輪の市販車部門ではトヨタ車体(TEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODY)が5連覇を達成。三浦昂(あきら)にとっては、ドライバーとしての初勝利となった。

トラック総合優勝はカマズのエドゥアルド・ニコラエフ。日野チームスガワラの菅原照仁は大排気量車軍団を相手に総合6位、大健闘であった(排気量10リットル未満クラス1位)。

二輪総合優勝はKTMのマティアス・ウォークナー。KTM勢は大会17連覇ということになる。2013年からファクトリーチームとしてダカールに復帰したホンダは、復帰後初となる優勝を目指したが、ケビン・ベナバイズの2位が最上位という結果に。

サインツも言うように、近年でも屈指のタフな戦いが展開された今年のダカール。四輪総合3連覇を達成したプジョーのワークスは今回が当面最後の参戦になることを昨秋に表明しており、ダカールは来年以降、また新たな時代を迎えることになりそうだ。

(*記事中の順位、記録等はゴール時点でのもの)

自身2度目のダカール制覇を成したサインツ(中央)。プジョーは3連覇。《写真提供 Red Bull》

自身2度目のダカール制覇を成したサインツ(中央)。プジョーは3連覇。《写真提供 Red Bull》

プジョーのチームメイトであるペテランセル(左)とデプレ(右)がサインツ(中央)の勝利を祝福。《写真提供 Red Bull》

プジョーのチームメイトであるペテランセル(左)とデプレ(右)がサインツ(中央)の勝利を祝福。《写真提供 Red Bull》

優勝したサインツのプジョー3008DKR Maxi。《写真提供 Red Bull》

優勝したサインツのプジョー3008DKR Maxi。《写真提供 Red Bull》

2位のアルアティアと優勝のサインツが語り合う。《写真提供 Red Bull》

2位のアルアティアと優勝のサインツが語り合う。《写真提供 Red Bull》

2位に入ったアルアティアのトヨタ・ハイラックス。《写真提供 Red Bull》

2位に入ったアルアティアのトヨタ・ハイラックス。《写真提供 Red Bull》

二輪総合優勝のマティアス・ウォークナー(KTM)。《写真提供 Red Bull》

二輪総合優勝のマティアス・ウォークナー(KTM)。《写真提供 Red Bull》

二輪総合優勝のマティアス・ウォークナー(KTM)。《写真提供 Red Bull》

二輪総合優勝のマティアス・ウォークナー(KTM)。《写真提供 Red Bull》