藤原との2年生コンビでU-18侍打線を牽引、報徳学園・小園がW杯後に見せる「成長」 冷たい空気を切り裂くような鋭い当たり…
藤原との2年生コンビでU-18侍打線を牽引、報徳学園・小園がW杯後に見せる「成長」
冷たい空気を切り裂くような鋭い当たりがライト後方へ消えていった。今季最後となる練習試合で来春のセンバツ出場濃厚な東邦を相手に放った特大ホームランは3ランとなった。清々しい表情でダイヤモンドを一周する報徳学園・小園海斗の姿を見て、あらためて確信した。
「体が太く、しっかりしている」
小園の姿を見るのは、9月30日に行われた今秋の県大会・3回戦の明石商戦以来約2か月ぶりだった。体重について本人に尋ねると、笑みをこぼしながらこう答えてくれた。
「体重、3キロ増えたんです。というか、増やしました」
小園と言えば、今秋に行われたU18ワールドカップベースボール大会での印象が強い人も多いはずだ。序盤戦は9番打者として出場し、安打を量産。一時は打率5割をマークし、首位打者争いにも加わったほど。3戦目となるキューバ戦から2番に座り、藤原恭大(大阪桐蔭)と2年生ながら1、2番コンビとして打線をけん引した。
「本当は木のバットに対する不安はありました。でも、予想以上に打てたので自分でもビックリです。金属だと当てれば長打になることはありますが、木は芯で捕らえないと遠くに飛ばない。だから、しっかり捕らえないと、という意識を強く持ち続けたことが結果として出たのかなと思います。試合前の練習で、ボールを最後までしっかり見切る、という意識も高められましたし…。世界の舞台を経験してプレーの幅が広がったとは思います。チームに伝えていくこともありましたし、自分自身ももっと成長しないといけないと思いました」
指揮官も実感する変化「大人になりましたね」
帰国後、新チームでは1番打者としてチャンスメークに徹した。だが、県大会では明石商に敗れ、センバツへの道が断たれた。以降、週末はほぼ練習試合をこなす日々だったが、日本代表を経た小園について、大角健二監督はこう話していた。
「大人になりましたね。何がというより、全体的な立ち振る舞いというか、練習での姿勢というか…。今までは何をするにも前に出る方ではなかったのに、今は何でも進んでやるようになりました。日本代表の高いレベルの選手の中で、意識が変わったんでしょうね」
ただ、世界を経験して痛感したのは自身の体の線の細さ。そのため食事量を増やすなどして体重増量に努め、この秋だけで3キロアップに成功した。お陰で打球の勢いは明らかに変わり、晩秋を迎える頃にはホームランが飛び出す試合も増えた。11月初旬の3連休の3日連続アーチを含め、この秋だけで7本のホームランを放ったという。
「今は瞬発系の練習もしているので、体重を増やしてどれだけ動けるのかを見ながら体を作っています。去年に比べるとだいぶん体が大きくなったとは言われますけれど、もともと体質のせいで太りにくいんです。技術面ではもっとスイングスピードをつけたいです。そのために、いかに体脂肪率を低くして筋肉を増やすかを考えながら体を作っていくつもりです」
センバツでもホームランを放ってはいるが、打球の質は春からは明らかに変わっている。今は秋の県大会で敗れてから表舞台から遠ざかってはいるが、春から着実に経験値を上げられたことは確かだ。
「今年はセンバツに出てそこで結果も残せて、世界の舞台でも活躍できたことはすごい経験です。夏の県大会で力を発揮出来なかったことは悔しかったですけれど…。この秋もそうでしたが、まだまだ課題は多いです。センバツは行けなくても夏の甲子園には絶対に出たいです。去年はセンバツがあったのでメニューが限られていましたけれど、今年は時間がたくさんあるので、まずは個人の能力を上げるいい機会だとプラスに考えています。もちろん、自分自だけでなくチーム全体がそう思わないと意味がないので、これから全員でそういう意識を持って、夏を目指したいです」
長い冬を超え、進化した小園が来春、どんな姿を見せるのか。そして再びJAPANのユニホームに袖を通し、躍動するのか--。その勇姿を目にするのが今から楽しみでならない。(沢井史 / Fumi Sawai)