ドラフト結果を見れば明らかな育成力、上位選手が主力となる確率はDeNAと双璧!? 自前の選手の育成力で今の強力なチームを…

ドラフト結果を見れば明らかな育成力、上位選手が主力となる確率はDeNAと双璧!?

 自前の選手の育成力で今の強力なチームを築いたと言われる広島。ドラフトでの実績を見てもそれは明らかだ。

 過去10年のドラフト成績を見ていこう。※は現時点でNPBでの現役選手。

◯2008年
1位・岩本貴裕 外 亜細亜大学・394試239安31本131点 1盗 打率.255※ 
2位・中田廉 投 広陵高・189試15勝14敗0S38H 防御率3.82※
3位・小松剛 投 法政大学・30試6勝6敗0S0H 防御率5.99
4位・申成鉉 内 京都国際高(1軍出場なし)
育1位・松田翔太 投 金沢学院東高(1軍出場なし)

 1位の岩本は最近は若手の台頭に伴い出場機会が減っているが、勝負強い打撃が売り。地元・広陵高出身の中田は中継ぎ投手で活躍している。

◯2009年
1位・今村猛 投 清峰高・355試15勝27敗34S97H 防御率3.22※
2位・堂林翔太 内 中京大学附属中京高・466試309安31本130点 20盗 打率.236※
3位・武内久士 投 法政大学・10試0勝1敗0S0H 防御率4.84
4位・庄司隼人 内 常葉学園橘高・10試1安0本0点 0盗 打率.167※
5位・伊東昂大 投 盛岡大学附属高・0勝0敗0S0H 防御率7.71
6位・川口盛外 投 王子製紙(1軍出場なし)
育1位・永川光浩 投 龍谷大学(1軍出場なし)
育2位・中村亘佑 捕 横浜商科大学高(1軍出場なし)※17年戦力外

 甲子園の優勝投手・今村は、セットアッパーとして勝利の方程式を担う。堂林は一時期売り出したが、今は後輩選手の活躍で影に埋もれている形。奮起が期待される。育成の永川は、守護神だった永川勝浩の弟だが、力を発揮することなく退団した。

◯2010年 
1位・福井優也 投 早稲田大学・106試29勝33敗0S0H 防御率4.39※
2位・中村恭平 投 富士大学・32試2勝9敗0S0H 防御率4.69※
3位・岩見優輝 投 大阪ガス・11試1勝0敗0S0H 防御率4.02
4位・金丸将也 投 東海理化(1軍出場なし)
5位・磯村嘉孝 捕 中京大学附属中京高・51試14安2本5点 0盗 打率.200※ 
6位・中崎翔太 投 日南学園高・250試11勝22敗74S55H 防御率2.87※
7位・弦本悠希 投 徳島インディゴソックス・4試0勝0敗0S0H 防御率4.50 
育1位・山野恭介 投 明豊高(1軍出場なし)
育2位・池ノ内亮介 投 中京学院大学・2試0勝0敗0S0H 防御率0.00

 1位福井にエースの期待がかかったが、やや伸び悩み。6位中崎は、中継ぎからクローザーになり、広島の抑えを任されている。

2011年は上位2人がスター選手に

◯2011年
1位・野村祐輔 投 明治大学・134試58勝41敗0S0H 防御率3.18※
2位・菊池涼介 内 中京学院大学・770試844安59本271点 83盗 打率.280※ 
3位・戸田隆矢 投 樟南高・88試11勝7敗1S12H 防御率3.82※
4位・土生翔平 外 早稲田大学・10試1安0本0点 0盗 打率.111※
育1位・富永一 投 徳島インディゴソックス(1軍出場なし)
育2位・中村真崇 外 香川オリーブガイナーズ(1軍出場なし)
育3位・塚田晃平 投 早稲田大学(1軍出場なし)
育4位・三家和真 外 市立和歌山高(1軍出場なし)ロッテへ※

 前田健太の後のエース野村祐輔、驚異的な守備力とつなぐ打撃の菊池涼介という2人のスターを生んだ。戸田も一時期中継ぎで活躍した。

◯2012年 
1位・高橋大樹 外 龍谷大学付属平安高・2試0安0本0点 0盗 打率.000※ 
2位・鈴木誠也 内 二松学舎大学附属高・388試368安61本218点 38 打率.309※ 
3位・上本崇司 内 明治大学・92試5安0本2点 3盗 打率.122※
4位・下水流昂 外 Honda・64試31安5本19点 0盗 打率.242※
5位・美間優槻 内 鳴門渦潮高・1試0安0本0点 0盗 打率.000※
育1位・辻空 投 岐阜城北高(1軍出場なし)※
育2位・森下宗 外 愛知工業大学(1軍出場なし)

 1位の高橋大は伸び悩んでいるが、2位の鈴木が不動の4番打者に成長。3位・上本は守備固め、4位・下水流は代打で活躍している。

◯2013年 
1位・大瀬良大地 投 九州共立大学・118試26勝19敗2S24H 防御率3.64※ 
2位・九里亜蓮 投 亜細亜大学・89試13勝13敗0S3H 防御率4.02※
3位・田中広輔 内 JR東日本・537試553安38本178点 79盗 打率.279※ 
4位・西原圭大 投 ニチダイ・16試0勝0敗0S0H 防御率7.23
5位・中村祐太 投 関東第一高・15試5勝4敗0S0H 防御率3.74※

 1位の大瀬良は先発、中継ぎどちらでも高いパフォーマンスを発揮。2位の九里も先発、中継ぎで活躍。そして3位の田中は「タナキクマル」の切り込み隊長として今季、盗塁王、最高出塁率、ベストナインを獲得した。

15年ドラ1の岡田はローテの一角に、5位の西川も台頭

◯2014年
1位・野間峻祥 外 中部学院大学・246試62安1本13点 19盗 打率.231※ 
2位・薮田和樹 投 亜細亜大学・60試19勝6敗0S3H 防御率3.02※
3位・塹江敦哉 投 高松北高・3試0勝1敗0S0H 防御率11.37※
4位・藤井皓哉 投 おかやま山陽高・2試0勝0敗0S1H 防御率0.00※
5位・桑原樹 内 常葉学園菊川高(1軍出場なし)※
6位・飯田哲矢 投 JR東日本・26試0勝0敗0S0H 防御率2.21※
7位・多田大輔 捕 鳴門渦潮高(1軍出場なし)※17年戦力外
育1位・松浦耕大 捕 MSH医療専門学校(1軍出場なし)※
育2位・木村聡司 内 常葉学園橘高(1軍出場なし)※

 大器と言われる野間は若手の競争の中で、やや影が薄くなった。藪田は今季、最高勝率のタイトルを受賞した。

◯2015年 
1位・岡田明丈 投 大阪商業大学・42試16勝8敗0S1H 防御率3.62※
2位・横山弘樹 投 NTT東日本・6試2勝2敗0S0H 防御率5.47※
3位・高橋樹也 投 花巻東高・10試0勝2敗0S0H 防御率6.43※
4位・船越涼太 捕 王子・1試1安0本0点 0盗 打率1.000※
5位・西川龍馬 内 王子・157試71安5本30点 4盗 打率.278※
6位・仲尾次オスカル 投 Honda・25試2勝0敗0S1H 防御率6.29※
7位・青木陸 内 山形中央高(1軍出場なし)※

 岡田明丈は今季12勝、ローテの一角を担った。5位の西川は強打の内野手として、アジアチャンピオンシップでも活躍した。

◯2016年 
1位・加藤拓也 投 慶應義塾大学・7試1勝3敗0S0H 防御率4.30※
2位・高橋昂也 投 花咲徳栄高(1軍出場なし)※
3位・床田寛樹 投 中部学院大学・3試1勝1敗0S0H 防御率5.19※
4位・坂倉将吾 捕 日本大学第三高・3試1安0本2点 0盗 打率.250※
5位・アドゥワ誠 投 松山聖陵高(1軍出場なし)※
6位・長井良太 投 つくば秀英高(1軍出場なし)※

 1位の加藤は、初登板であわやノーヒットノーランの快投を演じた。床田も左腕先発で一時期ローテを維持した。

2017年
1位・中村奨成 捕 広陵高
2位・山口翔 投 熊本工業高
3位・ケムナブラッド誠 投 日本文理大学
4位・永井敦士 外 二松学舎大学附属高
5位・遠藤淳志 投 霞ヶ浦高
6位・平岡敬人 投 中部学院大学
育1位・岡林飛翔 投 菰野高
育2位・藤井黎來 投 大曲工業高
育3位・佐々木健 投 小笠高

 当たり年というのは見当たらないが、広島では上位指名の選手は、当たり前のように数年後には主力選手になっている。この確率の高さはセ・リーグではDeNAと双璧だ。

 また、広島は見込みがあると思った選手は、実績が上がらなくてもすぐには戦力外にしない傾向がある。選手育成について、しっかりした見識があることを感じさせる。(広尾晃 / Koh Hiroo)