女子シングルで出遅れ、落胆した表情を浮かべたグレン(C)Getty Images「実は今、生理中なんです」 これはミラノ…

女子シングルで出遅れ、落胆した表情を浮かべたグレン(C)Getty Images
「実は今、生理中なんです」
これはミラノ・コルティナ冬季五輪に参戦していた米女子フィギュアスケート代表のアンバー・グレンが、フランス・メディア『RMC Sport』で発した告白だ。避けられがち、あるいは女子選手でさえも避けがちな内容に踏み込んだ彼女は、「本当に辛いんです」と切実に訴えた。
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実際、グレンは出場種目で精彩を欠いた。メダル獲得が期待されたシングルスでは、ショートプログラムでミスが重なって13位と低迷。まさかの展開に世界に衝撃が走った。
本人も号泣したSPから中2日で挑んだフリーでは、持ち味のダイナミックなスケーティングが復活。自己ベストとなる147.52点を記録したが、表彰台には上がれず。一連のパフォーマンスの波に、症状による不安が小さくない影響を及ぼしていたのは想像に難くない。
グレンは『RMC Sport』でこうも語っている。
「大変なことなのに、誰もそのことを話せない。これって本当に難しくて、恐ろしいんです。恐ろしくて、押しつぶされそうで、感情が張り詰めてしまう。それでも私たちはアスリートでいなければならない」
もっとも、このミラノ・コルティナ冬季五輪で“公言しづらい悩み”を抱え、そして打ち明けたアスリートは彼女だけではなかった。バイアスロン女子のドロテア・ウィーラー(イタリア)も大会期間中に月経周期を迎えた中で競技参加を余儀なくされていた。
大会期間中となる2月12日に独紙『Bild』で「現実的に考えなければならないわ。残念ながら、私たち女性は月に一度、こうやって苦しむしかないんです」と吐露。パフォーマンスの低下がメダル獲得を逃す結果に繋がったと明かした。
「生理を迎えて、体調は悪くないけど、少し疲れていたんです。(生理の話を公言することがタブー視されている現状について)コンディションが100%の状態ではないことを、なぜ知られてはいけないの? それはごく普通のことなんです。私たち女性にとっては、文字通り人生のサイクルなのに」
4年に一度の大舞台である五輪への出場は、選手たちにとっても相当な重圧がのしかかる。そうした中で生理による影響でパフォーマンスが低下したことを批評されたり、中傷されるのは、心身ともに楽ではない。世間に公表して少しでも肩の荷を下ろしたいと願うのはトップアスリートとして当然の想いなのだろう。
生理による影響は症状や期間に個人差もあるとされており、絶対問題ないと呼べるだけの対応策はない。そんな苦しい状況で彼女たちは戦っていたのだと、グレンやウィーラーの発信が幅広い理解へと繋がることを願いたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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