17日間にわたってイタリア北部の四つの会場群で開催されてきたミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)の閉会式が22日…
17日間にわたってイタリア北部の四つの会場群で開催されてきたミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)の閉会式が22日(現地時間)、ベローナで行われた。
開催地はミラノから東へ約140キロのベローナ。「ロミオとジュリエット」の舞台でもある街だ。会場は、世界遺産のベローナ市街にある古代ローマ時代の円形闘技場が使用された。
閉会式のコンセプトは「躍動する美」。
序盤はオペラのキャラクターたちが次々と闘技場に登場。音楽に合わせて「リゴレット」や「フィガロ」、「椿姫」、「アイーダ」などが姿を見せると、会場から拍手がわき起こった。
「イタリアの顔」というメッセージが紹介されると、ステージ床の中央には子どもや女性、高齢者の顔写真が次々と映し出された。
その後、開催都市や会場群を代表した人たちによってイタリア国旗が場内に運び込まれた。今大会メダルを獲得したイタリアの選手たちも入場。大会の活躍に対し、拍手と声援が送られた。そして聖火が運び込まれた。
続いて全身金色の衣装をまとった人たちに先導されて、各国・地域の旗が次々と場内に入ってきた。
選手団ごとに行進した開会式とは異なり、各国・地域の旗手だけがまず行進した。選手が残っていない国・地域はボランティアが代行した。
日本の旗手は2人。開会式でも務めたスピードスケートの森重(もりしげ)航(オカモトグループ)と、フィギュアスケートの団体と女子で二つの銀メダルに輝いた坂本花織(シスメックス)が務めた。一緒に旗を持ち、楽しそうに笑顔で歩いた。
残りの選手も一斉に入場し、日本選手団も登場した。友好の形として、日本とイタリアの小さい旗をそれぞれの手に持っていた。フィギュアスケートペアで金メダルを獲得した「りくりゅう」ペアも並んで行進。木原龍一選手が三浦璃来選手を持ち上げる場面もあった。
他国・地域では、音楽に乗せて踊る選手、中継しているカメラに獲得したメダルをうれしそうにみせる選手など様々いた。最後にイタリアの選手たちが入ってくると、場内は口笛が鳴る。立ち上がって声援を送る人もいて、大盛り上がりだった。
終盤、次回(2030年)の冬季大会開催地であるフランスへの引き継ぎ式典が行われた。
30年大会の組織委員会が用意した演出は、「新しい夜明け」というコンセプトで、照明を駆使しながらフランスのアルプス地域に五輪がやってくる喜びと期待を表現していた。
国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長は閉幕のスピーチでアスリートたちに感謝した。「世界はときどき忘れてしまうが、あなた方は尊敬や友情がどういうものなのかを示してくれた。五輪はみんなの場所であることも」と語り、閉幕を宣言した。
最後はミラノとコルティナダンペッツォの両市内に設置された聖火台の火が同時に消された。
コルティナでは聖火が消えた瞬間、歓声が沸いた。
ベローナの会場では「聖火は消えたが、お祝いはこれから」というアナウンスが流れるとアップテンポの音楽が鳴り響いた。
イタリアでの冬季五輪は2006年トリノ大会以来20年ぶり3回目。今大会には92カ国・地域の選手団と、ロシアとベラルーシ出身の「個人の中立選手(AIN)」を合わせた約2900選手が8競技116種目に出場した。
IOCによると、チケットは約130万枚が売れ、約1万8千人のボランティアが運営を支えた。(ベローナ=遠田寛生)