金メダルを手に喜ぶ佐藤コーチとスー・イーミン(C)Getty Images 国境を越えた師弟関係に熱視線が注がれた。 現…

金メダルを手に喜ぶ佐藤コーチとスー・イーミン(C)Getty Images
国境を越えた師弟関係に熱視線が注がれた。
現地時間2月18日、ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード男子スロープスタイル決勝は、スー・イーミン(中国)が82.41点を叩き出して金メダルを獲得した。
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2022年の北京大会で2つ(銀1、金1)を獲得していた22歳は、今月7日のビッグエアで銅メダルを獲得。さらなる躍進が期待されて迎えたスロープスタイルでは、1回目の試技で82.41点のハイスコアを記録し、迫りくる長谷川帝勝(日本)に0.28差で競り勝った。
僅差で世界の頂に立ったスー・イーミン。文字通りの快挙をやってのけた直後、彼が涙ながらに歩み寄ったのは、自身が師事する佐藤康弘コーチだった。
中国メディア『捜狐』は表彰式直後と思われる両者の様子を紹介。そこには、涙ながらに「プレッシャーが本当に大きかったんだ。ずっと金メダルを取らなきゃって思ってた」と語りながらメダルを差し出すスー・イーミンと、同じく目を潤ませながらも笑顔で「すごいじゃん。グッドじゃない?」と愛弟子を抱きしめる佐藤コーチの姿があった。
2018年に師弟関係となった二人。『捜狐』によれば、当時は佐藤コーチに対して周囲から「大丈夫なのか? もしも(スー・イーミンが)メダルを取れなかったら刑務所行きになるんじゃないか?」といった不安を煽る声もあったという。
「西洋諸国で生まれている誤解の中には、中国スポーツ界が『金メダル至上主義』や『厳しく冷酷』というレッテルがある。しかし、佐藤は8年の歳月をかけて、自らの手で周りが貼っていたフィルターを打ち破った。彼はスー・イーミンが北京で一躍有名になり、ミラノ・コルティナで負傷し迷いながらも、プレッシャーに耐えて再出発する姿を目の当たりにしながら、常に傍で寄り添い続けた」
二人の関係の深さを「もはや家族のようである」と評した同メディアは、こうも記している。
「このミラノでスロープスタイルでの優勝が決まった瞬間、佐藤コーチは頭を抱えて号泣した。これは指導者として単に“任務達成”をしたからではなく、師弟としての深い絆と競技に対する純粋な愛ゆえのものだった。
オリンピックという舞台は、即座に世界平和をもたらすことはない。しかし、どこか誤解や偏見がある日中関係に橋を架けることはできる。たった一枚の金メダル、たった一回の抱擁と肩を並べることで、誤解を解消し、人々の心は近づけるのだ」
ビッグエア決勝後には、日本勢でワンツーフィニッシュを決めた木村葵来と木俣椋真に対して「僕は心から日本人選手たちを祝福したい」「努力するアスリートは皆、尊敬に値すると思う」とメッセージを送っていたスー・イーミン。スポーツマンシップに溢れる22歳の存在は、佐藤コーチなくしては語れない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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