<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇19日◇女子フリー◇ミラノ・アイススケートアリーナ【ミラ…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇19日◇女子フリー◇ミラノ・アイススケートアリーナ

【ミラノ=藤塚大輔、木下淳】ショートプログラム(SP)3位から出た世界女王のアリサ・リュウ(20=米国)が初の金メダルを獲得した。ここまで個人の金メダルがなかった米国を救った。フリーで唯一の大台となる150・20点。合計226・79点で、銀メダルの坂本花織(25=シスメックス)を1・89点差でかわした。

昨季の世界選手権で初優勝。今季は昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルも初制覇し、今大会は金メダル候補に目されていた。

かつては「天才少女」として名をはせた。史上最年少の13歳で全米選手権を制覇。男子でも難しい4回転ルッツを習得し、14歳のころには国際スケート連盟(ISU)公認大会において女子で初めて4回転ジャンプとトリプルアクセルを同時成功させた。22年北京五輪では6位入賞し、同年世界選手権でも銅メダルをつかんだ。

その後は16歳にして電撃引退を表明。「スケート以外のことがしたい」とエベレストを登山したり、進学したカリフォルニア大ロサンゼルス校で心理学を学んだりした。スケート靴は1年半にわたってクローゼットの奥にしまい、競技も全く見なかったという。

そんな中、24年1月に「スケートはどんなものだった?」と軽い気持ちでリンクへ。20分ほどウオームアップをした後に、いきなり3回転サルコーを着氷してみせた。3カ月後には全5種類の3回転を降り、復帰を決断。そこから一気に世界の頂点へ駆け上がった。

今大会も地力を発揮。SP首位の中井亜美(TOKIOインカラミ)まで2・12点差につけていた。一方で、本人は「メダル? そんなものいらない。この瞬間を大切にしたい」と無頓着。米国女子では02年ソルトレークシティー大会のサラ・ヒューズ以来8人目の金メダルを射程圏に捉えても「順位がどうであれ、私の滑りが変わるわけではない」と自然体で、完璧な演技を夢舞台で完成させた。