◆第43回フェブラリーS・G1(2月22日、東京競馬場・ダート1600メートル) 自然体で臨むつもりでも、軽快な口調には…

◆第43回フェブラリーS・G1(2月22日、東京競馬場・ダート1600メートル)

 自然体で臨むつもりでも、軽快な口調には期待がにじむ。3月3日で定年引退となる国枝栄調教師=美浦=は、シックスペンス(牡5歳、父キズナ)で挑むフェブラリーSが現役ラストのG1挑戦となる。これが最後となることについては「あっそう、って感じ」と涼しい顔で受け流したが、「圭太(戸崎騎手)と口取りができればいいね。“ベリベリホース”になってほしい」と、今では同騎手の代名詞となっている名文句を引き合いに出して胸を高ぶらせた。

 同馬の調教を担当するのは、国枝師の三男の翔助手(37)だ。以前は勢司和浩厩舎に所属して、19年1月から国枝厩舎の攻め専(せん)の助手となった。これまでに重賞勝ち馬のパラレルヴィジョンや、21年に牝馬で日本ダービー(5着)に挑んだサトノレイナスなど活躍馬の背中を知る。くしくも父のラストG1に“親子鷹”で挑む形となったが、「そういうことよりも、あの馬はG1を取れるくらいの力があると思うので、何とかタイトルを取って強いことを証明してほしい」と祈る気持ちで願っている。

 18日に行った美浦・Wコースでの最終追い切りでは、新コンビを組む戸崎騎手がシックスペンスの手綱を執り、併せ馬の相手として先行したルージュスエルテ(5歳2勝クラス)に騎乗していた。6ハロン81秒8―11秒5の馬なりで外から楽に併入に持ち込んだ走りを目の当たりにして、「豪快な走りをしていましたし、外を回してしっかりこられるのはすごい。パワーがすごいから、ダートも問題ないと思う」と十分に迫力を感じ取れたという。

 追い切り翌日の19日は、厩舎周りでの運動で調整した。指揮官は「いい状態で出せそうなのはよかった」と、悔いのない仕上げに満足げだった。最後の最後にダートG1初制覇の記録もかかる名伯楽が、ドラマチックに花道を飾る。

(坂本 達洋)