力強いランで会場を沸かせた村瀬(C)Getty Images ハイレベルな争いでのジャッジは混迷を深めた。波紋を生んだの…

力強いランで会場を沸かせた村瀬(C)Getty Images

 ハイレベルな争いでのジャッジは混迷を深めた。波紋を生んだのは、現地時間2月18日に行われたミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子スロープスタイル決勝での採点だ。

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 まさに名勝負ではあった。その中で初出場となった日本の深田茉莉が87.83点をマークして同種目日本勢で初の五輪金メダルを獲得。次いでゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)が87.48点で銀メダル、村瀬心椛が85.80点で銅メダル。いずれも僅差での決着となった。

 物議を醸しているのは、3位に甘んじた村瀬の最終3回目のランに対する評価だ。ビッグエアに続く金メダル獲得を逆転で狙った21歳は、「フロントサイドトリプルコーク1260」や「トリプルコーク」などの大技を披露。最後の着地を含めての完璧なメイクで、本人も会心のガッツポーズを見せた。しかし、採点は伸び悩んで深田を上回れなかった。

 競技後に村瀬と深田は笑顔で健闘を称えたが、即座に疑問の声は広まった。競技を中継していた米スポーツ専門局『NBC Sports』で解説を務めたスノーボード界の重鎮であるトッド・リチャーズ氏は、「いや、すべてのジャンプが完璧だ。これはトップに立つべきだよ。絶対にトップだ」と断言した。

 さらに採点結果を目の当たりにしてからも「ムラセは90点台に乗ってもおかしくなかった。スピードの維持がこれだけ難しい状況なのに、力でねじ伏せて滑りきったんだ。相応の評価をされるべきだし、ムラセは報われなきゃダメだ」と訴え、さらに声を荒げた。

「私から見たら、これは間違いなく金メダルだよ! 720を2回跳んだ滑りが、どうして上回るんだ? 全く理解できない。史上最もクレイジーなジャッジだ! 2022年のアユム(平野歩夢)の時以来、最悪のジャッジだよ。間違いない」

 重鎮が「理解できない」と嘆いたジャッジは、本人も思うところがあったようだ。19日、テレビ朝日「報道ステーション」に出演した村瀬は、「レールセクションで少しだけ、ほんの少しだけ落ちてしまった。それでそこまで引かれるとは思っていなかった」と減点の大きさに率直な心境を明かした。

「今までのワールドカップとかだったら、そんな引かれるようなランではなかったんじゃないかなと自分では思っていた。自分が出しきったランで、なんか出しきってないような感じがしちゃって、ものすごくつらいです」

 議論が起きるのは採点競技の常。しかし、基準が不透明な評価はまだ波紋を広げそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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