失意のマリニンと激励のハグを交わしたバイルズ(C)Getty Images ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男…

失意のマリニンと激励のハグを交わしたバイルズ(C)Getty Images
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子シングルで、圧倒的な優勝候補と目されながら8位に終わったイリア・マリニン(米国)に対して、体操界の女王による激励のハグが注目を集めている。同じ米国代表で、五輪通算7個の金メダルを誇り、メンタルヘルスの問題を公に語ってきたシモーネ・バイルズだ。
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失意のフリー演技から4日後。マリニンは現地時間2月17日にミラノ市内で、米『NBC』系列「Access Hollywood」のインタビューに応じた。そこにバイルズが飛び入りで登場。観戦に訪れていた28歳は、失意のマリニンを抱きしめ、優しく声をかけた。米誌『Entertainment Weekly』は、この異例の場面を詳報し、五輪という極限の舞台を知る「まさに適任」の存在が21歳のスターを励ましたと伝えた。
同誌によれば、バイルズは「私は五輪で、失意と成功の両極端のどちらも経験してきた。本当に大変なこと」「どれほどのプレッシャーがかかるのか分かっているし、彼はまだとても若い」と語り、深い共感を示した。さらに「成功に届かなかったと考えるのではなく、気持ちをリセットして、方向転換だと捉えてほしい。すべての出来事には理由があると思う」と助言。精神面のケアの重要性を強調した。
マリニンは大会前、「4回転の神」の異名を持つ絶対的本命として注目を浴びていた。しかし、フリーでは4回転ルッツで転倒するなどミスが重なり、ショートプログラム(SP)首位から8位へ急転落。世界中のファンに衝撃を与えた。
バイルズはマリニンの演技について「信じられなかった」と回顧。「氷の上から彼をすくい上げて、ポケットに入れてしまいたいくらいだった。『さあ、後で一緒に対処しよう』って言いたくなるほどに」と強い思いやりをのぞかせた。
2021年東京五輪で精神的負担を理由に、複数種目を棄権した経験を持つバイルズ。「まずは自分自身を大切にしてほしい。心も体も。五輪で感じたあらゆる感情を受け止めて」と助言。「これは人生で最高の瞬間の一つでもあるのだから、帰国してから次のことを考えればいい」と説いた。
これに対して、マリニンも「もちろん望んだような結果にはなりませんでした…でも今はそればかりを見ていてはいけない。あの失敗から学び、将来どう改善できるかを突き詰めていくしかないと思っています」と顔を上げた。復活への歩みは、すでに始まっているようだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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