2026年のJリーグが開幕し、特別リーグとなる百年構想リーグが始まった。PK戦が導入されるなど、目新しい大会ではあるが…
2026年のJリーグが開幕し、特別リーグとなる百年構想リーグが始まった。PK戦が導入されるなど、目新しい大会ではあるが、他にも目を引くことがある。日本サッカーの発展を示すセンターバック(CB)の成長について、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。
■浦和にも有望株
一方、対戦相手の浦和レッズのCBも、若い日本人選手だった。
流通経済大学から入団し、一作年と昨年は京都サンガF.C.でプレーした宮本優太(26歳)と、同じく流通経済大学から昨年加入して2年目の根本健太(23歳)だ。
浦和のCBは、このところアレクサンダー・ショルツ(現FC東京)やマリウス・ホイブラーテン(現アル・ナスル=UAE)、ダニーロ・ボザといった外国人選手が務めることが多かったが、今シーズンは開幕節、第2節と宮本と根本の日本人DFが起用されている。
とくに若い根本のプレーには注目したが、こちらも確実な守備を見せ、また、稲村隼翔のようなロングボールは使わないものの、正確にMFにパスを付けて攻撃の起点になっていた。
■千葉と川崎も熱戦を展開
FC東京と浦和の試合の翌日には、J1に昇格したジェフユナイテッド千葉と川崎フロンターレの試合を観戦した。
17シーズンぶりにJ1リーグで戦う千葉のホーム、フクダ電子アリーナは1万6389人のサポーターの熱気で溢れていた。
そして、千葉の選手たちは勇猛果敢に川崎に挑みかかっていった。
パスをつなぐのがうまい川崎に対し、千葉はボランチの2人(小林祐介と前貴之)が大健闘。さらにトップ下の石川大地もプレスバックして川崎のパスを分断。奪ったボールを簡単に失うことなく前線につけて、全員がハードワークして90分を通じて優勢に試合を進めた。
「これだけの試合をしながら勝てなかった。次の対戦では戦術的優位は取れない」と反省の弁を述べる千葉の小林慶行監督だったが、J1優勝経験のある強豪チーム相手にこれだけの試合をしたことは自信にもつながるだろう。
そんな試合をして引き分けたにも関わらず、PK戦では8対9で敗れてしまった千葉は気の毒。PK戦について質問された川崎の長谷部茂利監督も「負けたほうは試合に負けたような気がしてしまう」と同情的な発言していたほどだ。
あっ、冒頭にも述べた通り、今回のコラムのテーマは「PK戦の是非」ではなかった。
CBの話である。
■川崎の生え抜きが見せた能力
取り上げたいのは、開幕節(柏レイソル戦)と千葉戦と2試合連続で右CBとしてフル出場を果たした川崎の松長根悠仁である。
川崎の下部組織育ちの21歳。J3の福島ユナイテッドFCでプレーしていたが、レンタルバックで戻って、いきなり先発の座をつかんだのだ。
ちなみに、川崎は右サイドバックに山原怜音(清水エスパルスから移籍)、右CBに松長根、左CBに谷口栄斗(東京ヴェルディから移籍)と最終ライン4人中3人が新加入。GKのスベンド・ブローダーセン(ファジアーノ岡山から加入)と、新戦力が守備を支えている(左SBは三浦颯太)。
さて、松長根のプレーだが、まだフィジカル的には弱さもあり、当たり負けする場面も見受けられるが、相手のパスコース、シュートコースを読む力があるようで、予想外の猛攻を受けた千葉戦では何度かシュートブロックで守備で貢献。無失点で切り抜けることに成功した。
そして、FC東京の稲村隼翔と同じように長いパスで攻撃の起点を何度かつくっていた。
千葉戦の前半36分には川崎が押し込んだ中でポジションを上げた松長根が前線に鋭いくさびのパスを通し、伊藤達哉がスルーして河原創に渡って決定機につながった場面があった。また、73分には右寄りから、左サイドの深い位置まで上がった左SBの三浦にダイアゴナルなパスを供給。これも、三浦がマルシーニョとのワンツーで抜け出してチャンスとなった。
川崎は中盤でのパス回しが最大のストロング・ポイントではあるが、相手チームも川崎の戦い方についてはすでに研究済み。しっかりと対策を立てられて思ったようにパスがつながらない試合も多くなるはず。
そんなときには、たとえば開幕節の柏戦の伊藤のようなドリブルが有効な場合もあるだろうし、松長根が見せたような正確なロングフィードが打開策となるのかもしれない。